以下、論文紹介と解説です。
Okubo K, et al. Efficacy and safety of fluticasone furoate nasal spray in Japanese children with perennial allergic rhinitis: a multicentre, randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Allergology international. 2014; 63(4): 543-51.
6歳から15歳未満の小児261人にFluticasone furoate点鼻スプレー(商品名アラミスト) 55μg連日またはプラセボ連日にランダム化して二週間投与し、有効性を比較した。
背景
■ フルチカゾンフロエート点鼻スプレー(Fluticasone furoate nasal spray; FFNS)は、アレルギー性鼻炎(allergic rhinitis ; AR)の治療のために開発された糖質コルチコイドである。
■ そこで、通年性AR(perennial AR; PAR)の日本人の小児におけるFFNSの有効性と安全性を評価する初めてのランダム化臨床試験を実施した。
方法
■ この多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間第III相試験では、6歳から15歳未満の小児261人にFFNS 55μg連日またはプラセボ連日にランダム化し二週間投与した。
■ 鼻と眼の症状は、患者の日誌で両親/保護者/患者により評価された。
■ プライマリエンドポイントは、3 鼻症状合計スコア(three total nasal symptom score; 3TNSS)による試験開始からの変化の平均だった。
■ さらに、鼻鏡所見は有効性の尺度として調査者により評価された。
■ 安全対策として、有害事象、臨床症状、血液検査を評価した。
結果
■ 3TNSSによる全治療期間にわたる試験開始からの変化の平均は、プラセボと比較してFFNS 55μg群で大きく、その差は統計学的に有意だった(p<0.001)。
■ 鼻鏡所見による下鼻甲介粘膜の腫脹と鼻汁の量は、有意に改善した。
■ 総眼症状スコア(The total ocular symptom score ;TOSS)は、試験開始時のTOSSが0より大きい患者のサブグループ群では、第二週において、プラセボと比較しFFNS 55μg群で有意に低下した。
■ 有害事象の発現率は、FFNS 55μg群(18%)とプラセボ群(19%)で同程度だった。
結論
■ FFNS 55μg1日1回2週間の治療は、日本人小児(6歳から15歳未満)のPAR患者において効果的であり、忍容性があった。
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アラミスト点鼻液は、鼻症状だけでなく目の症状にも効果があるようだ。
■ アラミスト点鼻液は27.5μg/噴霧で、添付文書上は
成人には、通常1回各鼻腔に2噴霧(1噴霧あたりフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして27.5μgを含有)を1日1回投与する。
小児には、通常1回各鼻腔に1噴霧(1噴霧あたりフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして27.5μgを含有)を1日1回投与する。
になっています。
■ ですので、この報告では倍量といえそうですね。
■ この報告では、目の症状も改善したという結果になっています。直接目に届いているわけではなく、神経的なはたらきだと考えられています(そこまで効くかな…)。
■ 市販薬でもステロイド点鼻薬はありますが、『ベクロメタゾンプロピオン酸エステル』となり、バイオアベイラビリティがやや高めになります(副作用がすごく大きくなるという意味ではありません)。
※私はグラクソ・スミスクライン社にCOIはないです。
今日のまとめ!
✅ アラミスト点鼻液は、2週間で鼻症状を有意に改善し、目の症状にも効果があるようだ。