以下、論文紹介と解説です。
Bakshi SS, et al. A randomized study comparing the efficacy of mometasone furoate and fluticasone furoate on the ocular and nasal symptoms of allergic rhinitis. International Journal of Otorhinolaryngology and Head and Neck Surgery 2017; 3:918.
アレルギー性鼻炎の症状に対し、フランカルボン酸モメタゾン鼻スプレー(ナゾネックス)とフランカルボン酸フルチカゾン鼻スプレー(アラミスト)の有効性を比較した。
背景
■ かゆみ、発赤、充血のような眼症状は、アレルギー性鼻炎患者で一般的である。
■ これらの症状は生活の質に影響し、医療費の負担を増加させる。
■ ステロイド点鼻薬は、アレルギー性鼻炎の鼻・眼症状を軽減するのに有効である。
■ そこで、アレルギー性鼻炎の鼻・眼症状の軽減における、フランカルボン酸モメタゾン鼻スプレーとフランカルボン酸フルチカゾン鼻スプレーの有効性を比較することを目的とした。
方法
■ 通年性アレルギー性鼻炎と眼症状のあるる90人をランダムに2群に分けた。
■ A群 46人はフランカルボン酸モメタゾン点鼻スプレー200μg毎日、B群 44人 フランカルボン酸フルチカゾン点鼻スプレー110μgを毎日使用した。
■ 患者は2、6、12週間隔で眼症状合計スコア (total ocular symptom score; TOSS)、鼻症状合計スコア(total nasal symptom score; TNSS)により評価した。
結果
■ TOSSとTNSSに関し、両群において統計学的に有意に低下した。
■ しかし、フルチカゾン群におけるTOSSスコアの改善は、6週間(p=0.0009)までモメタゾン群よりも大きく、12週間(p=0.045)まで続いた。
論文から引用。鼻の症状スコアには両群にさはみられなかったが、眼の症状スコアは6週以降にアラミスト群が有意に良くなった。
結論
■ フランカルボン酸フルチカゾンは、アレルギー性鼻炎の眼・鼻症状の治療において、フランカルボン酸モメタゾンよりも効果的である。
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ステロイド点鼻薬の眼症状緩和効果は、アラミストがいいのかもしれない。
■ 本文のディスカッションに、2群の差に関する考察があるかと思いきや、なにもなく…なぜなんでしょうね…
■ あまりステロイド点鼻薬の目に対する効果を感じていませんでしたが、今後はちょっと想定しておくべきかもしれません。
今日のまとめ!
✅ アレルギー性鼻炎時のステロイド点鼻薬は、眼の症状緩和にも有効であり、アラミストのほうがナゾネックスより有効なようだ。