以下、論文紹介と解説です。

Thompson M, et al. Duration of symptoms of respiratory tract infections in children: systematic review. BMj 2013; 347:f7027.

こどもの風邪の罹病期間に関して、システマティックレビューを実施した。

目的

■ プライマリーケアや救急ケアにおける、小児の一般的な呼吸器感染症の症状の予想される持続期間を確認する。

 

試験デザイン

■ 小児における耳痛、咽頭痛、咳(急性咳嗽、細気管支炎、クループなど)、感冒の症状の持続期間を決定するための先行文献のシステマティックレビュー。

 

データソース

■ PubMed、DARE、CINAHL(2012年の7月まで)。

 

試験選択の適格基準

■ 高所得国のプライマリーケアもしくは救急医療のセッティングで、対照とする治療もしくはプラセボ、市販薬による治療を受けた小児の急性気道感染症のランダム化比較試験または観察研究。

■ 研究の質は、ランダム化比較試験に対してはバイアスリスクフレームワーク、観察研究に対しては批判的評価スキルプログラムのフレームワークを用いて評価した。

 

主なアウトカム指標

■ 個々の研究データ、(可能な場合)症状持続期間に関しプールされた平均日数の割合と95%信頼区間。

■ 小児の50%もしくは90%で各症状が軽快した症状持続時間(日数)。

 

結果

■ 同定された22182文献のうち、ランダム化比較試験23件と観察研究25件が包含基準を満たした。

■ 研究集団は、研究開始前の年齢や症状の持続期間がさまざまだった。

90%の小児は、耳痛は7日目から8日目までに、咽頭痛は2日目から7日目までに、クループは2日目までに、細気管支炎は21日目までに、急性咳嗽は25日目までに、感冒は15日目までに、非特異的呼吸器感染症症状は16日目までに軽快した。

 

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読んだ後、KID先生がすでに記事にされていることに気が付きました。

■ 風邪症状は、すくなからず長引くということですね。

■ 普段の診療に有用そうです。

 

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今日のまとめ!

 ✅ こどもの風邪症状が90%でおさまる時期は、耳痛は7日目~8日目まで、咽頭痛は2日目~7日目まで、クループ症状は2日目まで、細気管支炎は21日目まで、急性咳嗽は25日目まで、感冒は15日目まで、非特異的な呼吸器感染症症状は16日目までだった。

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