以下、論文紹介と解説です。

Gotoh M, et al. Inhibitory effects of facemasks and eyeglasses on invasion of pollen particles in the nose and eye: a clinical study. Rhinology 2005; 43:266.

フェイスマスクと眼鏡による、鼻腔内への花粉の侵入率を調査した。

 
背景

■ スギ花粉症の有病率は、日本の人口の約13%と推定されている。

管理人注
スギ花粉症の有病率は1998年からの2008年までおよそ10%増加し26. 5%になり、最近行われた、都内3区市を対象としたアンケート調査と花粉症検診の結果から推計した都内(島しょ地域を除く)のスギ花粉症推定有病率は48.8%と考えられています。

■ 日本では、花粉の吸入を防ぐためにフェイスマスクと眼鏡を着用するのが一般的である。

 

目的

■ そこで、ボランティアと共同し、フェイスマスクと眼鏡の有用性を検討した。

 

結果

■ 鼻腔内・結膜上の花粉粒子数は、フェイスマスクと眼鏡を着用しても変わらなかった。

■ ただし、花粉の侵入率は、フェイスマスクや眼鏡を使用しない被験者よりも、フェイスマスクや眼鏡を使用した被験者の方が低かった。

フェイスマスク着用による鼻腔内の花粉侵入率低下は、統計的に有意だった。

■ これは、フェイスマスク着用が花粉の鼻への侵入を防ぐ効果があることを示唆している。

鼻腔・結膜への花粉の侵入率は、風速の増加とともに増加した。

 

結論

■ 風速が速いときには、フェイスマスクと眼鏡を着用していても、花粉を避けることは難しいかもしれない。

■ アレルゲン量と臨床症状の関係を明らかにするには、さらなる研究が必要である。

 

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花粉症に対してマスクは必要ではあるが…

■ いよいよ花粉シーズンに入ってきましたが、マスクの供給は需要に追いついていない状況です。

■ 私もスギ花粉症に30年以上罹患しているので、こまったな…と思っていますが、こういうシーズンもあると考えながら、点鼻薬や点眼をフル活用しようと思います。

 

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今日のまとめ!

 ✅ スギ花粉症に対し、マスクは花粉の流入を防ぐ可能性がある。

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