以下、論文紹介と解説です。

Brannan DK, Dille J. Type of closure prevents microbial contamination of cosmetics during consumer use. Appl. Environ. Microbiol. 1990; 56:1476-9.

シャンプー容器の蓋の種類が、スリットキャップ/フリップキャップ/スクリューキャップ、化粧水の容器の蓋がポンプトップ/、フリップキャップ/、スクリューキャップを用意して、細菌の汚染率を比較した。

背景

■ 容器に使用されるディスペンス容器は、使用による微生物汚染から化粧品を保護する上で重要な役割を果たす。

■ この仮説を、消費者や環境微生物に対するさまざまな保護を提供する、3種類の異なる閉鎖型の容器に、シャンプーや化粧水を無菌的に充填することにより試験した。

 

方法

シャンプーは、スリットキャップ(n=25)、フリップキャップ(n=25)、スクリューキャップ(n=28)の蓋がある容器に包装された。

化粧水はポンプトップ(n=21)、フリップキャップ(n=18)、スクリューキャップ(n=21)の蓋がある容器に包装した。

論文から引用。A:スクリューキャップ、B:フリップキャップ、C:スリットキャップ、D、ポンプタイプ。

■ さらに、これらの製品を、シャンプーは3週間、スキンローションは2週間、ボランティアにより実際の使用条件下で使用した。

■ 使用後、それぞれの製品を、標準的な計測法および同定方法を用いて、微生物による汚染度を評価した。

 

結果

■ 標準的なスクリューキャップ容器は、シャンプー(汚染率29%)とスキンローション(71%)において、微生物汚染に対する最小限の保護しか提供しなかった。

■ スリットキャップのシャンプー容器のとフリップキャップのスキンローション容器は保護の程度がわずかに高くなった(汚染率がそれぞれ21%と39%)。

最大の保護となったのは(すなわち、最低の汚染率)は、フリップキャップのシャンプー容器(0%)とポンプトップの化粧水容器(10%)だった

 

結論

■ 結果として、容器のタイプによっては、使用による微生物汚染から製品を保護するに不十分な役割しか果たさない。

 

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汚染度の影響から考えると、シャンプーはフリップタイプ、化粧水はポンプタイプが良いようだ。

■ 現実的には、汚染をゼロにすることは難しいでしょうけれども、保湿剤はポンプタイプを使用して、壺に手をいれない、ということから始めたほうがいいかもしれません。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ シャンプーや化粧水は、高率に菌に汚染されやすく、フリップキャップのシャンプー容器やポンプトップの化粧水容器が汚染されにくいようだ。

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