以下、論文紹介と解説です。
Goodman W, et al. Association of Video Game Use With Body Mass Index and Other Energy-Balance Behaviors in Children. JAMA Pediatrics 2020.
小児37616人の5歳、7歳、11歳、14歳のときのボディマスインデックスに関し、ビデオゲーム、身体活動、就寝時の規則性、加糖飲料の摂取、高カロリー食品摂取の関連を検討した。
重要度
■ 小児の肥満は英国が直面している最大の公衆衛生上の脅威の1つであり、ビデオゲームは小児における肥満のリスク行動と考えられている。
■ しかし、ビデオゲームと、body mass index(BMI)もしくは潜在的な媒介の関連を検討した研究はほとんどない。
目的
■ テレビの使用とは無関係に、小児におけるビデオゲームの使用と、その後のBMIのSDスコアに長期的な関連性が存在するかどうかを調査し、この関連性が他のエネルギーバランス行動によって媒介されるかどうかを確認する。
試験デザイン、セッティング、参加者
■ このコホート研究は、Millennium Cohort Studyのデータの二次解析である。
■ Millennium Cohort Studyは、2000年9月1日から2002年1月31日に英国で生まれた小児の全国的な代表サンプルであり、5歳、7歳、11歳、14歳のときに収集されたデータに焦点を当てた。
■ 子どものが14歳未満の場合は、BMIを除くすべての変数データは、親または保護者の報告によって提供された。
■ 小児が14歳である場合は、自分の行動を自己申告した。
■ 最初のデータ分析は2018年9月18日~2018年9月28日に実施され、補足の解析は2019年10月7日~2019年11月22日に実施された。
主な結果と測定
■ 主要アウトカム変数はBMI(SDスコア)であり、関心のある曝露変数としてビデオゲームが用いられた。
■ 身体活動、就寝時の規則性、加糖飲料の摂取、高カロリー食品摂取を、潜在的な行動として含めた。
結果
■ 全サンプルは小児16376人からなり、男児(8393人[51.3%])と女児(7983人[48.7%])はほぼ同数だった。
■ 5歳時のビデオゲーム使用時間が1SD増加するごとに、14歳時のBMI (SDスコア)がβ=0.018高くなった(95% CI 0.004~0.032)。
■ この関連性は、部分的にわずかに認められ(direct association: β=0.017 [95% CI、0.003~0.031];indirect association:β=0.0011[95% CI 0.0003~0.0019])、不規則な就寝時間、加糖の飲料をより多い摂取が関連因子であることが示唆された。
■ 関連モデルは14歳時のBMI(SDスコア)の変化の36.7%(95% CI 35.5~37.8)を説明した。
結論と関連性
■ 本研究の結果は、小児期のビデオゲーム使用と、その後のより高いBMIに小さな(臨床的に意味のあるものではない)関連を示唆したが、これは不規則な就寝時間と加糖飲料をより多く摂取していることによって成立している可能性がある。
■ 小児の肥満を予防するための今後の介入は、ビデオゲームの使用が多いためにリスクが最も高くなっている小児をターゲットにするために、主流のビデオゲームに健康プロモーションを組み込むべきである。
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ビデオゲームは、不規則な就寝時間や加糖飲料の摂取で肥満につながるようだ。
■ 結論部分で面白いのは、『Future interventions to prevent childhood obesity should incorporate health promotion in mainstream video games to target children most at risk because of their high level of video game use.(ビデオゲームの使用が多いためにリスクが最も高くなっている小児をターゲットにするために、主流のビデオゲームに健康プロモーションを組み込むべきである)』としているところですね。
■ 結構、リングフィットアドベンチャーもいいのかもしれません。
■ ただ、今回の結論では、ビデオゲームそのものよりも加糖飲料や不規則な就寝時間がむしろ大きいのではとありました。
■ ですので、ビデオゲーム中のジュースは控え、ほどほどにして早めに寝ることも重要そうです。
今日のまとめ!
✅ 小児期のビデオゲームは、不規則な就寝時間や加糖飲料の摂取を通じて、肥満につながるようだ。