以下、論文紹介と解説です。

Davies A, et al. Testing the efficacy of homemade masks: would they protect in an influenza pandemic? Disaster Med Public Health Prep 2013; 7:413-8.

健康ボランティア21人が綿のTシャツから作成した自家製マスク装着し、フィッティング性や性能をサージカルマスクと比較した。

目的

■ 本研究では、市販のマスクの代替として自家製マスクを検討した。

 

方法

■ いくつかの家庭の材料について、細菌やウイルスのエアロゾルを遮断する能力を評価した。

■ 健康ボランティア21人が、綿のTシャツからマスクを作成し、マスクのフィッティング性を検討した。

■ 自家製マスク、サージカルマスク、マスクなしの健康ボランティアの咳から分離した微生物数を、空気サンプリング技術を用いて比較した。

 

結果

自家製マスクのフィッティング因子はサージカルマスクの半分だった

論文から引用。自家製マスクとサージカルマスクのフィッティング性能。

いずれのマスクも、ボランティアによって排出される微生物数を有意に減少させたが、サージカルマスクは自家製マスクよりも3倍効果的だった。

論文から引用。飛沫の粒子径ごとの、マスクなし、自家製マスク、サージカルマスクの比較。

 

結論

■ この知見は、自家製マスクは感染者からの飛沫感染を防止する最後の手段として考慮されるべきであるが、保護しないよりは有効であることを示唆する。

 

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あくまで次善の策ではあるものの、サージカルマスクが入手しにくい場合は自家製マスクも一つの方法といえそうだ。

■ 素材に関し、今回の検討では『The pillowcase and the 100% cotton t-shirt were found to be the most suitable household materials for an improvised face mask. The slightly stretchy quality of the t-shirt made it the more preferable choice for a face mask as it was considered likely to provide a better fit.(枕カバーと綿100%Tシャツは、自家製マスクに最も適した家庭用素材であることがわかった。わずかに伸縮性のあるTシャツは、より良いフィット感を提供する可能性が高いと考えられ、それがフェイスマスクのためのより好ましい選択となった)』とありました。

■ フィッティング性能を上げると、息がしにくくなってしまう(圧があがる)ので、材質などへの配慮も必要なようです。

■ 一方で、サージカルマスクが入手しにくい場合は、自家製マスクも次善の策として考えてよいともいえそうです。

 

 

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今日のまとめ!

 ✅ 自家製マスクに比較してサージカルマスクの方が有効ではあるものの、マスクなしよりは自家製マスクをしたほうがよさそうだ。

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