以下、論文紹介と解説です。
Zhang H, et al. Mining Twitter to assess the determinants of health behavior toward human papillomavirus vaccination in the United States. Journal of the American Medical Informatics Association 2020; 27:225-35.
2846495件のツイートから、335681件の地域別分類されたツイートを分析し、ツイッタラーの議論から得られたトピックと健康情報全国動向調査(Health Information National Trends Survey; HINTS)におけるHPV関連の質問の回答との関連性を調査した。
目的
■ 本研究は、統合行動モデル(Integrated Behavior Model ; IBM)に基づいたヒトパピローマウイルス(human papillomavirus; HPV)ワクチン接種に対するツイッタラーの健康行動の決定要素を評価するために、Twitterのデータを使用することに実現可能性があるかを検証することを目的とした。
材料と方法
■ 2014年から2018年までの3つのTwitterデータセットを使用した。
■ ツイートを前処理して地域別分類した後、法則に基づいたモデルを構築し、各ツイートをプロモーション情報とツイッタラーの議論のどちらかに分類した。
■ トピックモデリングを使用して主要なテーマを発見し、その後、ツイッタラーの議論から得られたトピックと、Health Information National Trends Survey(HINTS)におけるHPV関連の質問の回答との関連性を調査した。
結果
■ 2846495件のツイートを収集し、335681件の地域別分類されたツイートを分析した。
■ トピックモデリングにより、質の高い122トピックが特定された。
■ ツイッタラーの話題において、「子宮頸がん検診」が最も多く、プロモーションツイートでは「HPVはがんの原因になる」という認識を高めるための話題が最も多かった。
■ 122トピックのうち87トピックは、プロモーション情報とツイッタラーの議論に相関関係があることが判明した。
■ IBMにより、Twitterの知見とHINTSで得られた結果との整合性を検証した。
■ 35トピックはキーワードによりHINTSの質問にマッピングでき、112トピックはIBMの構成要素にマッピングでき、45トピックは地理別分類の観点からHINTSの回答と統計的に有意な相関を示した。
結論
■ ツイッタラーの健康に関連した行動を評価するためにツイッターをマイニングすることは、調査に匹敵する結果を得ることができるだけでなく、理論に基づいたアプロー チを介して追加的な洞察を得ることができる。
■ 限界があるにもかかわらず、これらの有望な結果は、変化する健康情報関連のコミュニケーションの状況の中でソーシャルメディアを活用する革新的な方法を開発することを促している。
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Twitterで得られる情報は玉石混交ではあるものの、有用な情報も多い。しかしネットの医療情報に触れていくためにはコツもある。
■ もちろん、Twitterで得られるその情報は玉石混交です。しかし一方で、その情報がツイッタラーの行動に影響していることもまた、統計的に明らかになったとも言えます。
■ その行動が、良い行動なのか、それとも健康から遠ざかる行動なのかは、また別の問題ですが…有用な情報も多いことは間違いありません。
■ 個人的には、医療情報は『出典』を目安にすることがまずは第一歩だと思っています。
■ どのようにネット上の医療情報にあたっていくかのコツを、漫画家の青鹿ユウさんとコラボさせていただき漫画にさせていただいています。ごらんいただけると、そのコツのヒントになると思います。
今日のまとめ!
✅ Twitterは、ツイッタラーの健康における行動に影響している。