以下、論文紹介と解説です。
Mindell JA, et al. A nightly bedtime routine: impact on sleep in young children and maternal mood. Sleep 2009; 32:599-606.
母親405人と乳幼児(生後7~18ヶ月 206人、生後18~36ヶ月 199人)に対し、入浴、マッサージ、静かなアクティビティ(抱っこ、子守唄を歌うなど)を行い、入浴終了後 30 分以内に消灯し、ベッドに寝かせつけるという睡眠前の日課を2週間行った。
背景
■ 一貫した就寝時間の設定は、乳幼児、特に睡眠障害のある児の親にしばしば推奨されている。
■ しかし、行動介入と独立して、このような日課の有効性を調査した研究はない。
■ 本研究の目的は、一貫した就寝時間の設定が乳幼児の睡眠だけでなく、母親の感情に与える影響を調べることだった。
方法
■ 母親405人とその乳幼児(生後7~18ヶ月 206人、生後18~36ヶ月 199人)が、年齢別に3週間の研究に参加した。
■ 家族は、(時間を決めた)日課群と対照群にランダム化された。
■ 研究の最初の週を試験開始時とし、母親は児の通常の就寝時間の日課に従うように指示された。
■ 2週目と3週目には、日課群の母親は、特定の就寝時の日課を行うように指示され、対照群は児の通常の日課を継続した。
研究の介入方法、すなわち寝かせつけに関しては下記のような記載が論文にありました。
乳児
全206家族のうち、134家族(65%)が日課群に割り付けられた。
毎晩 3 段階の就寝習慣を 2 週間実施するように指示された。
入浴(提供された洗浄剤を使用)、マッサージ(提供されたマッサージ剤を使用)、静かなアクティビティ(抱っこ、子守唄を歌うなど)が含まれ、入浴終了後 30 分以内に消灯した。
母親は、児が普通にしていてもベッドに寝かせつけ、ベッドで覚醒していてもベッドに寝かせつけ、寝るまでベッドにとどまらせた。
幼児
幼児のいる 200 世帯のうち、133 世帯(66.5%)が日課群に割り付けられた。
全体的な研究デザインは乳児に対する方法とと同じだった、就寝時のルーティンには、マッサージではなくローションを塗るように指示された。
■ すべての母親は、週ごとにBrief Infant Sleep Questionnaire(BISQ)と毎日の睡眠日誌を記入し、Profile of Mood States(感情状態の概要)も記入した。
結果
■ 就寝時の日課は、乳幼児の問題のある睡眠行動を有意に減少させた。
■ 有意な改善は、入眠までの時間と夜間の覚醒回数と時間に見られた(P < 0.001)。
■ 睡眠の継続性は増加し、子どもの睡眠を問題があると評価した母親の数が有意に減少した。
論文から引用。
乳児期(生後7~18ヶ月)の睡眠状態の改善。
幼児期(生後18~36ヶ月)の睡眠の改善。
■ 母親の感情状態も有意に改善した。
■ 対照群の睡眠パターンと母親の感情状態は3週間の研究期間中に有意な変化はなかった。
結論
■ これらの結果は、一貫した夜間の就寝時間をルーチン化すること自体が、乳幼児の睡眠の複数の面、特に入眠後の覚醒度と睡眠の継続性、母親の感情を改善するために有益であることを示唆している。
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入眠前のルーティンが、乳幼児期の睡眠を改善する。そのうちスキンケアが導入しやすい方法かもしれない。
■ 入眠前のスキンケア(入浴+マッサージorローション塗布)が、睡眠を改善させるといえるかもしれません。
■ 出典を失念しましたが、成人でも、睡眠前に入浴をすると入眠が改善するという報告もあったような…
今日のまとめ!
✅ 入眠前のルーティンが、乳幼児期の睡眠を改善する。そのうちスキンケアが導入しやすい方法かもしれない。