以下、論文紹介と解説です。
Russo M, et al. Stool consistency, but not frequency, correlates with total gastrointestinal transit time in children. J Pediatr 2013; 162:1188-92.
機能性便秘と診断された44人(平均年齢7.8歳)と、健康で便秘のない36人(平均年齢7.6歳)に関し、便日誌をブリストルスケールで1週間記録し、全腸通過時間(WGTT)と比較した。
目的
■ 小児における便の特徴(硬さと頻度)と腸通過時間の相関関係を評価し、 Bristol Stool Form Scale(ブリストル便性状スケール)が小児の腸通過率を評価する信頼性の高い方法であるかどうかを確認する。
論文より引用。ブリストル便性状スケール。
研究デザイン
■ 2011年3月から2012年3月に、機能性便秘と診断された44人(男児25人; 女児19人; 平均年齢7.8歳)と、健康で便秘のない36人(男児17人: 女児19人; 平均年齢7.6歳)が登録された。
■ すべての参加者は便日誌を1週間記録し、すべての便通と便形の時間と日付を記録し、Rome III基準に従って機能的便秘に関する質問票を記入した。
■ その後、全腸通過時間(Whole gut transit time ; WGTT)を放射線不透過マーカーテストを用いて評価した。
結果
■ 便秘症児、非便秘症児ともに便形とWGTTには有意な相関があった(相関係数 -0.84; P<.001)。
論文より引用。ブリストル便性状スケールと全腸通過時間(Whole gut transit time ; WGTT)。
■ 対照的に、便通頻度とWGTT、便通頻度と便形のいずれにも相関は認められなかった。
■ 従属変数としてWGTTを用いた多変量ロジスティック回帰分析を行うと、WGTTと有意に関連する唯一の変数は便の形態であることが示された(回帰係数2.9; OR 18.4; 95%CI 5.4-62.5; P<.001)。
結論
■ この前向き観察的症例対照研究では、便通頻度よりもBristol Stool Formスケールによって測定される便の形態が、便秘症の児と非便秘症の児の両方においてWGTTと相関することを示した。
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おもったほど『便の形』はわからないとお答えになるものの、有用な指標と言えそうです。
■ 便の形をお聞きして、実際にお答えになることはおもったほど多くありません。
■ 皆さん、水洗トイレですぐ流してしまわれているんですよね…
■ とはいえ、治療がうまくいっているかどうかの判断に関しては、便の性状はかなり有用な印象です。
今日のまとめ!
✅ ブリストルスケールで3以下であると、便秘である可能性が高いと言えそうだ。