以下、論文紹介と解説です。
Magishi N, et al. Degradation and removal of soybean allergen in Japanese soy sauce. Mol Med Rep 2017; 16:2264-8.
醤油に含まれる大豆アレルゲンが、どの製造過程で除去されているかを確認した。
■ 醤油は日本の伝統的な発酵調味料であり、世界中で入手可能である。
■ 醤油の主原料は大豆と小麦であり、いずれも確立した食物アレルゲンである。
■ 本研究では、ウサギ由来の抗大豆タンパク質抗体と大豆アレルギーの児2人の血清を用いた免疫ブロット法により、醤油中の大豆アレルゲンの分解・除去過程を検討した。
■ 大豆アレルゲンは発酵過程で徐々に分解されるが、生醤油では完全には分解されないことが示唆された。
■ 生醤油中の可溶性大豆アレルゲンは、熱処理と濾過の過程で、熱処理により不溶性アレルゲンに変性し、その後濾過により醤油から完全に除去された。
■ したがって、醤油のアレルゲン性を低減するためには、醤油の発酵時の酵素による分解に加え、熱処理と濾過が非常に重要な工程となる。
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大豆アレルギーが強い場合は、生醤油ではなく火入れを過程を確認したほうが良いでしょう。
■ もちろん醤油に含まれる大豆アレルゲン量はすくなく、さらには1回に使用する量はけっして少なく多くのケースでは摂取できると考えられます。
■ 最近は、密封ボトルの容器がふえ、火入れをしていない醤油が増えているようです。
■ なお、『発酵』が他の食物のアレルゲン低下に有効とはいえません。たとえば、乳におけるヨーグルトは、アレルゲン性低下にほぼ役立ちません。
今日のまとめ!
✅ 醤油の大豆アレルゲンは、火入れの段階で大きく低下する。