以下、論文紹介と解説です。
de Mello PP, Eifer DA, de Mello ED. Use of fibers in childhood constipation treatment: systematic review with meta‐analysis. Jornal de Pediatria (Versão em Português) 2018; 94:460-70.
1~18歳で機能性便秘と診断された患者に対し食物繊維の効果を検討した9件のメタアナリシスを実施した。
目的
■ 小児患者の便秘治療に食物繊維を使用することに対する現在のエビデンスを収集する。
データソース
■ 2016年までに発表されたPubmed、Embase、LILACS、Cochraneデータベースを通じて特定された研究のメタアナリシスを含むシステマティックレビュー。
包括基準
■ 1~18歳で機能性便秘と診断された患者が、便秘に対する薬物治療を受けているか受けていないかを検討したランダム化比較試験;ポルトガル語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語で発表された論文で、研究者がアクセス可能な雑誌に掲載されたもの。
データの統合
■ 検索により計2963件の論文が抽出され、十分な評価の結果、9件が研究目的に関連していると考えられた。
■ 計 680 例の小児が含まれており、そのうち 45%が男児だった。
■ 小児の便秘患者における食物繊維摂取による便通頻度、便の硬さ、治療効果、便失禁、腹痛について統計的な有意差は認められなかった。
■ これらの結果は、研究間の臨床的な異質性が高いこと、解析のために選択された論文の方法論的限界のため、注意して解釈されるべきである。
結論
■ 小児期の便秘の治療における食物繊維摂取を評価するための適格な研究が不足しており、この集団に対するこの介入の真の効果を推定する上での信頼度が低い。
■ 今日、最近の文献によると、適切な食物繊維の摂取は機能的な便秘に対してのみ推奨されるべきであり、食物繊維の摂取は、便秘のある小児および青年の食事に処方すべきではない。
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食物繊維が便秘に有効かを検討した報告は多くはなく、不足している児には勧めていいけれども、充足している場合の有効性ははっきりしないようだ。
■ 個人的には、食物繊維が便秘に有効であろうと思いますし、『好き嫌いが多いお子さん』には特に指導内容に含めています。
■ しかし、このテーマを検討した研究結果は多くはなく、『すでに十分摂取している場合は有効ではない』とまとめられます。
今日のまとめ!
✅ 研究の異質性などの問題のため注意する必要はあるが、小児の便秘に対する食物繊維の有効性は認められなかった。