以下、論文紹介と解説です。
Smith, Robyn N., et al. "A low-glycemic-load diet improves symptoms in acne vulgaris patients: a randomized controlled trial." The American journal of clinical nutrition 86.1 (2007): 107-115.
15~25歳の男性座瘡患者43人に対し、低GI食群・高GI食群にランダム化し、12週目までの座瘡の重症度と体重などを比較した。
背景
■ 座瘡の病因は現在のところ不明であるが、非西洋人を対象とした最近の疫学調査において、食事要因(血糖負荷を含む)が関与している可能性が示唆されている。
目的
■ 低GI食(low-glycemic-load diet)が若年男性の座瘡病変数を改善するかどうかを明らかにすることを目的とした。
試験デザイン
■ 15~25歳の男性座瘡患者43人を対象に、12週間の並行デザインによる食事療法を実施し、評価者盲検による皮膚評価を行った。
■ 治療は、タンパク質からのエネルギーが25%、低GIである炭水化物からのエネルギー45%から成る、血糖への低負荷の食事だった。
■ 対照的に、対照群はGIに関係なく、炭水化物を多く含む食品を重視した。
■ 毎月の受診時に、座瘡数と重症度を評価し、試験開始時と12週目にインスリン感受性(ホメオスターシスモデル評価を使用)を測定した。
結果
■ 12週目には、低GI食群(-23.5±3.9)の方が対照群(-12.0±3.5)よりも座瘡の病変数の平均値(±SEM)が低下した(P = 0.03)。
論文より引用。低GI食のほうが、対照群より座瘡の数が減少。
■ また、低GI食は対照食に比べて、体重(0.5±0.3kgに対して-2.9±0.8kg、P < 0.001)と肥満度(kg/m2; 0.01±0.11 vs -0.92±0.25; P = 0.001)の減少が大きく、インスリン感受性(0.47±0.31 vs -0.22±0.12; P = 0.026)の改善が大きかった。
結論
■ 低GI食後に、座瘡とインスリン感受性が改善したことから、栄養関連の生活習慣因子が座瘡発症に関与している可能性が示唆された。
■ しかし,体重減少と食事介入の独立した効果を分離して根拠となる病態生理学的メカニズムをさらに解明するためには、さらなる研究が必要である。
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座瘡に対し、低GI食が有効かもしれない。
■ このあとの米国のガイドラインでは、低GI食が推奨されるようになりましたが、コクランシステマティックレビューでは、エビデンスが不足しているとしています。
■ ですので、まだ結論とまではいかないのかもしれませんが、ひとつの方法として提案できるのかもしれません。
今日のまとめ!
✅ 座瘡に対し、低GI食が有効かもしれないが、体重減少などの影響もある可能性が残されている。