以下、記事紹介と解説です。

Kuehn BM. Fewer COVID-19 Cases in Schools With Masks and Improved Ventilation. JAMA 2021; 326:125-.

2020年に対面式学習を再開したジョージア州の学校を対象とした調査から、どのような感染予防策が有効だったかがCDCのニュースレターで報じられた。

■ 2020年に対面式学習を再開したジョージア州の学校を対象とした調査によると、学校内でのCOVID-19の伝播を最小限に抑えるためには、教職員にマスクの着用を義務付け、換気を改善することが不可欠であることが判明した。

■ 全米の多くの学校がこの秋に対面式学習を控えている中、調査対象となったジョージア州の小学校169校の結果は、それぞれの予防策を計画している教育者や管理者の指針となる。

■ データによると、教職員にマスク着用を義務付けている学校では、マスク着用を義務付けていない学校に比べてCOVID-19の発症数が37%少なかったことが判明した。

■ また、生徒にマスクの着用を義務付けている学校では、マスクの使用を任意としている学校に比べてCOVID-19の症例数が21%少なかったが、その差は統計的には変わらなかった。

窓やドアを開けたり、ファンを使ったりして空気の循環を良くすると、換気の変更をおこなわなかった学校に比べてCOVID-19の発症が約1/3に減少した。

■ また、高効率粒子吸収(HEPA)フィルターを追加したり、紫外線殺菌灯を照射したりすることで、感染者数は半分に減少した。

■ 著者らは、空気ろ過装置や浄化装置を設置する資源がない学校であっても、空気の循環を改善することは有益であると指摘している。

■ 調査が行われた昨年末以降、12歳以上の青年がワクチン接種の対象となったが、CDCは秋に再開する学校に対して、対象者へのワクチン接種、生徒や職員へのマスクの着用、換気の改善といった多面的なCOVID-19予防策を用いるよう勧告している。

■ 「12歳(以下)の子どもたちにワクチンが利用できるようになるまでは、ひろく正しいマスクを着用することが重要な予防策であり、学校はワクチン接種の有無にかかわらず対面式学習を優先すべきである」と著者らは記している。

 

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大人が予防接種をしたり感染予防策をすることで、弱者である子どもを守るという行動が求められているといえる。

■ もちろん、今後デルタ株など感染リスクの高い株が拡大していけば、子どもが感染源となる可能性は高くなってくる可能性があります。

■ 一方で、学校や園の中止により、不登校・神経性食思不振症など身体症状のお子さんが大きく増えてきていることも、現場の医師としてはつよく感じます。

 

■ 学校や園の再開のためには、弱者である子どもを、大人が守らねばならないでしょう。

■ たとえば大人がマスクなど感染予防策をしっかりおこない、換気を行うことが重要と言えます。

 

■ そして、子どもたちの予防接種ができるようになるまでは、大人が積極的に予防接種をし子どもたちへの感染を減らす必要性があるといえるでしょう。

 

■ 最近、ワクチン接種をせずに新型コロナウイルスに罹患し、人工呼吸器を装着することになったお子さんを前に、『ワクチンを接種するべきだった』と訴えるお母さんを取材した報道もありました。

■ 過去、新型コロナにかぎらず、『予防接種をしておけばよかった』と何度も、何度も、親御さんから聞いたことでしょう。

■ 大人が大人としての行動ができることが求められているように思います。

 

今日のまとめ!

 ✅ 学校での新型コロナの流行予防策を論じた記事がJAMAに報告された。

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