加熱乳と非加熱乳における経口免疫療法は、どちらが有効でリスクが低いか?

牛乳の免疫療法、加熱乳がいいか?非加熱乳がいいか?

■ 牛乳アレルギーは少なくありませんが、経口免疫療法(標準的な治療ではありませんのでご留意ください)を行うにあたって『牛乳は加熱したほうがよいですか?』という質問を受けることがあります。

■ 個人的には、日本で販売されている牛乳はすでに加熱されて販売されていることもあり、そのまま使用して良いことにしています。

■ このあたりはさまざまな意見があるかもしれませんが、『baked milk』による免疫療法にあまり有効性がみられていないこともあります。

■ 一方で最近、『加熱乳』と『非加熱乳』による経口免疫療法のランダム化比較試験が発表されていますので、共有します。

 

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

牛乳に対しアナフィラキシー歴のある5歳以上の児33人を、加熱乳3mL連日群、非加熱乳3mL連日群にランダム化し、1年間の治療効果と安全性を比較したところ、

 ✅ 1年後、3mLおよび25mLの食物経口負荷試験が陰性だったのは、HM群で35%と18%、UM群では50%と31%だった。

 ✅ 1年間の治療中、家庭での摂取1回あたりの中等症もしくは重症の症状もしくは呼吸器症状の発生率は、HM群がUM群よりも有意に低かった(それぞれ0.7%/1.2% vs 1.4%/2.6%; P < 0.001)。

 

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