イスラエルにおける新型コロナワクチンプログラムは、実際におこる可能性があった重症化数や入院を3分の1にした

新型コロナワクチンによって、実際に感染者や死亡数をどれくらい減らすことができたか?

■ 9月15日のNEJMでは、ファイザー社の新型コロナワクチンの6ヶ月間の効果、9月22日のNEJMでは、モデルナ社の新型コロナワクチンの240日間の効果が示され、よりひろくその効果がわかってきました( Thomas SJ, Moreira ED, Kitchin N, Absalon J, Gurtman A, Lockhart S, et al. Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine through 6 Months. New England Journal of Medicine 2021.)( El Sahly HM, Baden LR, Essink B, Doblecki-Lewis S, Martin JM, Anderson EJ, et al. Efficacy of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine at Completion of Blinded Phase. New England Journal of Medicine 2021.)。

■ そして最近、Lancetの姉妹誌に、『実際にワクチンプログラムでどれくらい死亡数や重症者をへらすことができたのか』を示したレトロスペクティブ研究が発表されました。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

イスラエルにおいて、2020年12月20日から2021年4月10日までにイスラエル保健省が収集した全国サーベイランスデータを用いて、新型コロナ感染、入院、重症/重篤な入院、死亡という4つのアウトカムを推定したところ、

 ✅ ワクチン接種キャンペーンにより、新型コロナ感染が 158665(95% CI 144 640~172 690)人、入院が 24597(18 942~30 252)人、重症もしくは重篤な入院が 17432(12 770~22 094)人,死亡が 5532(3085~7982)人、回避されたと推定された。

 ✅24,597件の入院のうち16,213件(65.9%)、回避された死亡数5532件のうち5,035件(91.0%)が65歳以上の高齢者であると推定

 

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