乳児期からの保湿剤の塗布は、アトピー性皮膚炎の発症を予防するか?:システマティックレビュー&メタアナリシス

新生児期からの保湿剤定期塗布とアトピー性皮膚炎の発症予防に関し、相反する結果が報告されている。

■ 新生児期からの保湿剤の定期塗布に関して、現在、意見が交錯している状況と思います。

■ 2019年前半まで『予防できる』としていた報告が多かったのですが、2019年後半くらいから『予防できない』という大規模研究がいくつかでてきたからです。

■ コクランレビューでは、『予防できない』になっていたのですが、それらの研究の不備を示す反対意見も多くあります。

■ そんななか、興味深いメタアナリシスが報告されました。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの予防のために乳児期の早期(6週間以内)に保湿剤を定期塗布開始する10研究に対し、メタアナリシスを実施したところ、

 ✅ 乳児にエモリエントを塗布しても、対照群に比べてアトピー紫衣皮膚炎の発症を有意に抑えることはできなかった(リスク比 0.84; 95%CI 0.64~1.10)が、、ハイリスク群(8試験)では、エモリエントの定期塗布に対し有意な効果(RR 0.75; 95%CI 0.62~1.11)が認められた。

 ✅エモリエントをAD評価時点まで継続して使用した研究(6試験)では、有意な有益性(RR 0.59; 95%CI 0.43~0.81)が認められたが、AD評価前に治療を中止した場合は認められなかった。

 

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