以下、論文紹介と解説です。
Montero-Vilchez T, Martinez-Lopez A, Cuenca-Barrales C, Quiñones-Vico MI, Sierra-Sanchez A, Molina-Leyva A, et al. Assessment of hand hygiene strategies on skin barrier function during COVID-19 pandemic: A randomized clinical trial. Contact Dermatitis 2022; 86:276-85.
医療者62人を手指衛生において、石鹸洗浄、アルコール手指消毒、消毒用ウェットティッシュに3群にランダム化し、8時間の勤務後の皮膚バリア機能や菌量を比較した。
はじめに
■ 新型コロナウイルス感染症(Coronavirus disease 2019;COVID-19)により、手洗いの頻度が増加した。
■ 臨床現場において、さまざまな手指衛生の方法が皮膚バリア機能に与える影響に関するエビデンスは乏しい。
目的
■ 日常診療における医療従事者の異なる手指衛生の皮膚バリア機能への影響を比較する。
方法
■ ランダム化比較臨床試験を実施した。
■ 参加者は、8時間の勤務中に水と石鹸による手指消毒、アルコール手指消毒剤(alcohol-based hand sanitizers; ABHSs)、消毒用ウェットティッシュにランダム化された。
■ 経表皮水分蒸散量(TEWL)などの表皮バリア機能パラメータと微生物量が、勤務前と勤務直後に評価された。
■ また、勤務後に各製品の許容度と忍容性が記録された。
結果
■ 62人が参加し、20人、21人、21人にそれぞれ水と石鹸、ABHS、消毒用ウェットティッシュを使用するようランダム化された。
■ 8時間の勤務後、TEWLは石鹸やABHSよりも消毒用ワイプで高かった(それぞれ +5.45 vs +3.87 vs -1.46 g h-1 m-2; P = 0.023)。
■ 細菌や真菌のコロニー形成単位(CFU)数の減少の程度は、石鹸洗浄群は、ABHSや消毒ウェットティッシュよりも少なかった。
論文より引用。
■ 消毒ウェットティッシュは,石けん洗浄群やABHS群と比較して,より使いにくいと考えられた(P = 0.013).
結論
■ ABHS による毎日の手指衛生は、皮膚バリアの破壊率が最も低く、CFU の減少率が最も高いことが示された。
手指衛生は、使い分けが必要ではあるものの普段の優先度はアルコールによる手指衛生と言える。
■ 普段の手指衛生に関して、アルコール消毒に軍配が上がったことになりますが、もちろん、アルコールで手指衛生が難しいシチュエーションも多々あります。
■ たとえば、体液がついた場合、もしくはエンベローブがない(アルコールが効きにくい)ウイルスが相手の場合などです。
■ そのあたりは考えながら使い分けるのが吉ということで、今まで通りということです。
基本的に医療者向けで、申し訳ありませんが、質問には基本的にお答えしておりません。
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