今シーズンは、インフルエンザの流行期になる可能性があるが、乳児に対するオセルタミビルの有効性と安全性のデータは必ずしも多くはない。
■ しばらくインフルエンザが流行していませんが、近いうちに(もしかするとこの冬季に)インフルエンザが流行するかもしれません。
■ これは、諸外国の状況から十分留意して置かなければならないでしょう。
■ もちろん、インフルエンザワクチンは考慮するべき対処法です。
■ 一方で、乳児期(生後6ヶ月未満)はワクチンの接種はできませんし、周囲のワクチンによる防御、コクーン効果を考えることになります。
■ では、乳児期のオセルタミビル(タミフル)は有効でしょうか?
■ すでに1歳未満の乳児に保険適用はありますが(1歳以上の小児よりも体重あたりの投与量が多い[3mg/kg]ことに注意)、あくまで前後比較試験で少数例でした(小児感染免疫2017; 29: 83-8.)。
■ そこで、最近、フィンランドのグループから、乳児期のオセルタミビルの有効性と安全性の報告がありましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
前向きに登録された431人の新生児を10ヶ月間フォローし、インフルエンザに罹患した児へのオセルタミビルの有効性と安全性を検討したところ、
✅ A型インフルエンザに罹患した23人の乳児の平均総罹病時間は、オセルタミビルの投与を受けた乳児が82.1時間であったのに対し、投与を受けなかった乳児は253.5時間だった(P = .0003)。
✅ B型インフルエンザでは、それぞれ110.0時間と173.9時間だった(P = 0.03)。