
過去の新型コロナへの感染、そして追加ワクチン接種の有効性は?
■ 先日、ようやく5回目の新型コロナワクチンの接種を終え、インフルエンザワクチンとともに、これからの第8波への自分自身の備えが済んだところです。
■ いまのところ、私は新型コロナに罹患はしていませんが、第7波ではとくに感染リスクが高いことを感じ、家族にも『今回はかかってしまうかもしれない』と話していましたが、なんとか切り抜けたようです。
■ そして最近よく聞かれるようになったのは、『すでに新型コロナにかかったのですが、ワクチンはやっぱりしたほうがよいのですか』というご質問です。
■ 今のところ、過去の既往があっても、ワクチン接種を追加したほうが感染リスクを低下させるという報告が多いです( Hammerman A, Sergienko R, Friger M, et al. Effectiveness of the BNT162b2 Vaccine after Recovery from Covid-19. New England Journal of Medicine.2022;386(13):1221-1229.1. )(Altarawneh HN, Chemaitelly H, Ayoub HH, et al. Effects of Previous Infection and Vaccination on Symptomatic Omicron Infections. New England Journal of Medicine. 2022;387(1):21-34.)。
■ この大前提が崩れたわけではありませんが、最近のNEJMの報告では、いくらか状況が変わってきているようです。
■ 簡単に翻訳して共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
カタールの医療施設で実施されたPCR・迅速抗原検査を含む全国SARS-CoV-2データベースから、診断陰性例コントロールデザインで新型コロナ感染既往の効果を推定したところ、
✅ BA.4・BA.5の再感染に対するオミクロン株以前の株への感染既往の効果は35.5%(95%信頼区間[CI]12.1~52.7)だった。
✅ BA.4・BA.5再感染に対する、オミクロン株感染後感染の効果は76.2%(95%CI 66.4~83.1)だった。
✅ワクチン接種の有無によって分類した解析では、ワクチン接種者ではいくらかその効果が高くなる可能性が示された。