最近の異常な暑さに対処するため、乳幼児のために、ベビーカーに電池式の扇風機を取り付けることの有効性が研究されました。
■ 最近は夏季の気温の高さは異常ですよね。
■ 熱によるストレスが乳幼児突然死症候群(SIDS)と関連していることが知られています。
■ すなわち、乳幼児への介入(例えば、衣服を減らす、日光の回避、涼しい場所の確保)によって、リスクを減らす必要性があります。
■ できれば外出を避けるのは前提条件でしょう。
■ とはいえ、外出がある程度せざるを得ませんよね。
■ そのうえで、安価な対策として、ベビーカーに電池式の扇風機は有効でしょうか?
■ 最近、このテーマで研究が行われています。結果はどうだったのでしょうか?
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Bin Maideen MF, Jay O, Bongers C, Nanan R, Smallcombe JW. Optimal low-cost cooling strategies for infant strollers during hot weather. Ergonomics 2023; 66:1935-49.
市販のベビーカーに8つの冷却戦略を施し、どの方法が有効化を検証した。
■ この研究は、高温で湿度がやや高い夏の気候下で使用するのに最適な低コストのベビーカー冷却戦略を特定することを目的とした。
■ 市販されているベビーカーに機器を取り付け、熱環境の主要なパラメータを評価した。
■ 16日間の暑い夏の日(気温(Ta)= 33.3 ± 4.1 °C、相対湿度 = 36.7 ± 15%、黒球温度 = 43.9 ± 4.6 °C)に、8種類のベビーカー構成の冷却効果を、交互に検証した。
■ 一般的なベビーカーの構成と比較して、湿らせたモスリン(モスリンとは柔らかくて軽い綿の布地)をベビーカーに掛け、バッテリー式のクリップオン扇風機(留め具が付いている小型の電動ファンのこと)を組み合わせた構成は、ベビーカー内の冷却に最適であり、試験終了時の気温を4.7℃、湿球黒球温度(WBGT)を1.4℃低下させた。
■ 一方、ベビーカーの座席部分に乾いたモスリン(Ta = +2.6 °C; WBGT = +0.9 °C)やフランネル(Ta = +3.7 °C; WBGT = +1.4 °C)の布を掛けることで、ベビーカー内の温度は大幅に上昇した(Ta = +2.6 °C; WBGT = +0.9 °C)。
■ これらの結果は、暑い季節に乳幼児を保護するための指針に役立つ実証的な証拠となる。
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