アレルギー治療法である経口免疫療法は、リスクや継続性の問題があり、方法においては議論が続いています。
■ 経口免疫療法とは、アレルギーを治療する方法の一つです。アレルギーの原因となる食べ物を少しずつ食べて体に慣らしていくというイメージの治療です。
■ 経口免疫療法は、特に増量している時期に強い症状を起こす事があり、リスクのある治療です。
■ さらに問題点として挙げられるのは、もし食べられるようになったとしても、継続して食べ続けないと多くは食べられなくなることでしょう。
■ 経口免疫療法に関し、『いつまで継続して食べるか』『どれくらいの量で継食べつづけるか』『たべる頻度はどれくらいか』など、さまざまな問題が立ちはだかっています。
■ このテーマのうち、ピーナッツ経口免疫療法で摂取可能になったあと、少量で維持をするか、それとも日常摂取量で維持するかに関して、Allergy誌にPro/Conが掲載されていました。
※「Pro/Con」とは、あるテーマやアイディアについての賛成意見(Pro)と反対意見(Con)にあえて分かれて議論し、あるテーマを多角的に考えるための方策です。
Upton J, Elizur A. Target maintenance dose for peanut OIT is 300 mg protein (or less): Pros and cons. Allergy; n/a.
ピーナッツ経口免疫療法(OIT)の目標維持量はタンパク質300mg(またはそれ以下):長所と短所。
※ 今回は要約のみ。
Proの要約
✅ 経口免疫療法(OIT)は、ピーナッツアレルギーの治療法で、一定の用量を維持することでアレルギー反応の閾値を上昇させる。
✅ POISED研究では、ピーナッツタンパク質を毎日4000mg摂取することで閾値が上昇することが示されたが、低い維持量でも効果が見られた。
✅ 副作用を減らし、治療を続けやすくするために低用量の維持が推奨されている。
Conの要約
✅ OITの最適な維持量を決定するには、有効性、安全性、生活の質を考慮する必要がある。
✅ 300mgの低い維持量でも高い有効性が示されているが、安全性の面では反応が多く、患者の生活の質には大きな影響を与えない。
✅ 大多数の患者は、アレルゲンを気にせず外食できる自由を望んでおり、1200mgの高い維持量がより適している。
※論文の背景や内容の深掘り、個人的な感想は、noteメンバーシップにまとめました。
※登録無料のニュースレター(メールマガジン)も始めています。5000人以上の登録ありがとうございます。
基本的に医療者向けで、申し訳ありませんが、質問には基本的にお答えしておりません。
所属するいかなる団体の立場も代表するものではありませんし、すべての方に向いているという情報でもありません。予めご了承いただきたく存じます。
しかし、文章やアイデアを盗用・剽窃・不適切な引用したり、許可なくメディア(動画を含む)に寄稿することはご遠慮ください。
クローズドな場での勉強会などに使用していただくことは構いません。