重篤なカシューナッツアレルギーが自然寛解することはあり得るか?

木の実類アレルギーは、そもそも寛解しがたい。しかし、一部寛解する例があることが報告された。

■ はじめてコロナに罹患してしまい、少々更新がとだえました。
■ KP3株らしく、咽頭痛と発熱が長引きました…
■ まだ療養中ですが、仕事再開後はさらに忙しくなることが予想されるので、少しずつ頭を動かし始めたいと思います。

■ さておき、日本の木の実アレルギーは、すごく増えています。
■ 食物アレルギーの原因食物の頻度として、2015年の8位から2021年の3位にあがっており、心配が増えています。

■ その中でも、カシューナッツは木の実アレルギーの原因の2位であり、注目されています。

■ しかし、木の実アレルギーは自然寛解は望むことは難しく、カシューナッツアレルギーもそのように考えられています。
では、全員がそうなのでしょうか?

■ 最近、このテーマの研究結果が報告されています。

Guiddir T, Siberil A, Lepape F, Hacker M, Nemni A. Can cashew nut allergy resolve spontaneously? Clin Transl Allergy 2024; 14:e12385.

カシューナッツによる重度のアナフィラキシーを発症した平均年齢3歳(1.5~4歳)の5人の患者を対象に、平均2.4年の追跡期間で自然経過を観察した。

今回の論文は短報のため、要約のみ。

 

論文のまとめ

✅️全患者で皮膚プリックテスト(SPT)とカシューナッツ特異的IgEが陰性化し、Ana o3の検査結果も陰性となった。
【簡単な解説】アレルゲンに対する体の反応が弱まり、カシューナッツに対して寛容になった可能性を示唆している。
✅️4人の患者がカシューナッツの累積投与量7800mgの経口負荷試験をパスし、残りの1人も自宅でカシューナッツ1個を問題なく摂取した。
【簡単な解説】経口負荷試験は、少量から徐々に量を増やしてアレルギー反応が起きないか確認する検査である。カシューナッツ7800mgということは、摂取可能になったと推測できる。

 

 

※論文の背景や内容の深掘り、個人的な感想は、noteメンバーシップにまとめました。

※登録無料のニュースレター(メールマガジン)は、一部有料会員向けも始めていますが、定期的に無料記事も公開予定です。さまざまなテーマを深堀り解説していきますので、ご興味がございましたらリンクからご登録ください。

 

このブログは、私の普段の勉強の備忘録やメモを記録しているものですので、細かい誤字脱字はご容赦ください。
基本的に医療者向けで、申し訳ありませんが、質問には基本的にお答えしておりません。

知識の共有を目的に公開しておりますが、追加して述べる管理人の意見はあくまでも個人としての私見です。
所属するいかなる団体の立場も代表するものではありませんし、すべての方に向いているという情報でもありません。予めご了承いただきたく存じます。

このブログの『リンク』は構いません。
しかし、文章やアイデアを盗用・剽窃・不適切な引用したり、許可なくメディア(動画を含む)に寄稿することはご遠慮ください。
クローズドな場での勉強会などに使用していただくことは構いません。
Instagram:2ヶ月で10000フォロワーを超えました!!!

Xでフォローしよう