早産児への鉄分補充は運動発達と体重増加を促進する

早産児における鉄分不足の現状と対策は?

毎年、世界中で約1500万人の赤ちゃんが予定より早く生まれてきます(早産)。この数は年々増えています。

■ 早産で生まれた赤ちゃんは、いくつかの理由で鉄分が不足しやすくなります。

1. 本来なら妊娠後期にお母さんから鉄分をもらうはずなのに、早く生まれたためその機会が少なかった
2. 生まれた後、血液を作ったり急激に成長したりするために、たくさんの鉄分が必要になる

■ 実際、早産で生まれた赤ちゃんの25-85%が、生後6か月間に鉄分不足になってしまうと言われています。

■ 鉄分は私たちの体にとって非常に重要で、血液を作るだけでなく、脳の発達にも欠かせないことがわかっています。

■ そのため、早産児には鉄分を補充することが推奨されています。しかし、本当に効果があるのか、どのような影響があるのかについては、まだ十分に分かっていませんでした
■ 最近、リスクが高いと考えられる早産児に対する鉄剤補充に関する研究結果が報告されていました。

※鉄剤の補充は、多すぎても問題があることもあります。noteでは先行研究を私見を交えて考察しました。

Xu S, Ma L, Li H, Wang X, Wu M, Jing J, et al. Iron Supplementation Is Associated with Improvement of Motor Development, Hemoglobin Level, and Weight in Preterm Infants during the First Year of Life in China. Nutrients 2022; 14.

中国南部の病院において、修正年齢0~3ヶ月の早産児1,568名を対象とし、3ヶ月間の鉄分補充を行い、修正年齢12ヶ月まで追跡した後ろ向きコホート研究が実施された。

背景

早産児では鉄保有量が欠乏するため、鉄補充が推奨されている
■ しかし、この推奨の健康上のアウトカムについては議論が続いている。
■ そこで、本研究は早産児における鉄補充と神経行動発達、ヘモグロビン(Hb)、身体測定特性との関連を明らかにすることを目的とした。

方法

■ 中国南部の病院において、修正年齢0~3ヶ月の早産児1,568名を対象とした後ろ向きコホート研究デザインを適用した。
■ 医療カルテに基づき、乳児を3ヶ月間鉄補充群(IG、n = 697)または対照群(CG、n = 871)に分類し、修正年齢12ヶ月まで追跡した。
■ 神経行動発達、身体測定、Hb値、疾患歴、栄養に関するデータを修正年齢3、6、12ヶ月時点で収集した。

結果

■ 対照群と比較して、鉄補充は疾患、栄養補助食品、食事などの交絡因子を調整後、修正年齢6ヶ月時点での粗大運動能と体重の改善(β = 1.894、β = 5.322)、修正年齢12ヶ月時点での粗大運動能と体重の改善(β = 4.019、β = 6.830)、修正年齢12ヶ月時点での微細運動能の改善(β = 1.980)と正の関連を示した。
■ 鉄補充はまた、修正年齢3ヶ月時点でのHb値上昇とその増加(β = 2.196、β = 3.920)および修正年齢6ヶ月時点でのHb値上昇とその増加(β = 3.011、β = 7.259)とも関連していた。

結論

中国の早産児における3ヶ月間の鉄補充は、生後1年間の運動発達改善、Hb値上昇、および体重増加と正の関連を示す

 

 

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