食物アレルギー(診断) ピーナッツ蛋白質1.5mg(ピーナッツ100分の1粒弱)を摂取して、症状が出現するリスクはどれくらいか? 極々微量のピーナッツが混入した食物を食べて症状を発現するリスクはどれくらいか? ■ 食物アレルギーのあるお子さんの保護者さんから、『工場のラインでの混入の可能性』に関して尋ねられることがよくあります。 ■ しかし、『どれくらいのリスクか』を答えることは簡単ではなく、負荷試験をせざるを得ない場合も少なからずあります。 ■... 2022年9月20日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) ソバ特異的lgE抗体価が他の穀物と同等の値を 示す場合は、ソバアレルギーである可能性が低いかもしれない ソバ特異的IgE抗体価により、事前の負荷試験陽性を予想することは難しい。 ■ 最近改訂された医学書を読んでいて、『ソバアレルギーが臨床的に小麦や米と交差反応することは極めてまれで、特異的IgE抗体価も、ソバ単独で高値をとることが多い、逆に、ソバ特異的lgE抗体価が他の穀物と同等の値を 示す場合は、ソバアレルギーである可... 2022年6月24日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) ゴマアレルギー患者の5%に症状が出現するゴマの負荷量はどれくらいか? ゴマアレルギーの判断は簡単ではない。 ■ ごまは、特異的IgE抗体価の特異度がひくく、十分な検討がすすんでいない領域です。 ■ 負荷試験の用量設定に関しても、むずかしさを感じることがありますが、最近、Allergyに参考になる研究結果が報告されていますので共有します。 この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? ... 2022年6月7日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) エビアレルギーの予測に、コンポーネント検査は有用か? エビアレルギーを予測する検査は、現状では十分な精度が担保されているものはない状況です。 ■ エビ特異的IgE抗体価は、粗抗原として検査をしても、感度、特異度ともに不十分であることがわかっています(Pascal M, Grishina G, Yang AC, Sánchez-García S, Lin J, Towle ... 2022年6月6日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) ナッツアレルギーがあっても、そのナッツを識別できるとは限らない ナッツ類は多くの種類があるが、それをどれくらい識別可能か? ■ ナッツ類はおおくの種類があり、それぞれにアレルギーが起こりえます。 ■ では、その種類を識別できるかというと、結構むずかしいかもしれません。 ■ たとえば、下記のようなナッツを、どれがどれかを鑑別することは可能でしょうか(図はJ Allergy Clin ... 2021年6月22日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 食物経口負荷試験時に主観的な口腔内症状がある場合、負荷試験を継続するか?中止するか? 食物経口負荷試験中に、口腔内症状があった場合に負荷試験を継続するか否か? ■ 食物経口負荷試験において、少量の負荷で口腔内症状(口腔内の違和感やかゆみなど)が出現することはよくあります。 ■ しかし、その後負荷量を増やしていっても、それ以上の症状を来さないことも多く、その場合は負荷試験陰性(もしくは判定不能)の結果にな... 2021年6月21日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) ゴマに対するアナフィラキシーの診断には、Prick to Prickテストが有用かもしれない ゴマアレルギーに関し、負荷試験前にどのように鑑別をするのかが悩ましい状況です。 ■ ゴマアレルギーの診断は、なかなか難しいものです。 ■ ゴマ特異的IgE抗体価のカットオフ値が7.97kU/Lで感度83.3%、特異度48.2%という報告があり、特に特異度が低いのです。 ■ そして、Ses i 1というコンポーネント検査... 2021年4月9日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 鶏卵アレルギーのある児は、他の家禽(うずら・ハト・ガチョウ・七面鳥など)の卵にどれくらい感作されているか? 鶏卵アレルギーのある子どもは、他の家禽の卵にどれくらい感作されているか? ■ 鶏卵と他の家禽の卵、たとえばうずらの卵は高率に交差すると考えられています。 ■ たとえば一般的には、鶏卵アレルギーがある場合にはうずらの卵も除去食を指導することになります。 ■ しかし、うずらの卵だけ症状があるお子さんなども経験し、実際にどれ... 2021年3月14日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) ハイリスクの乳児のピーナッツ導入前の検査では、Ara h2特異的IgE抗体価が有用である ピーナッツの早期導入が推奨されるようになり、事前の検査をどうするかが議論されている。 ■ LEAP試験が報告されたあと、ピーナッツを乳児期に導入することが推奨される様になってきています。 管理人注 ピーナッツそのものを乳児に導入することは気道に入ると危険であるため、ピーナッツバターなどが推奨されています。 その場合、ク... 2021年3月6日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 日本の年少児におけるアレルギー疾患の有症率はどれくらいか? 日本における、アレルギー疾患の有病率は? ■ 日本におけるアレルギー疾患の有病率は、ある地域で行われたものや横断研究が多く、より大規模でコホート試験などからの結果がもとめられていました。 ■ 最近になって、大規模出生コホート試験であるエコチル調査から、アレルギー疾患の有病率が報告されました。 この論文でわかったこと... 2020年12月22日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 子どものクルミアレルギーの鑑別に、『Jug r 1』が有用である クルミアレルギーの子どもが増えています。 ■ 『東京都3歳児調査』がおこなわれ、最近、クルミアレルギーが増加しているようだという記事がありました。 参考 クルミアレルギー発症急増 食品表示義務追加へ 消費者庁(毎日新聞) ■ クルミアレルギーの鑑別がさらに注目されてくるわけですが、その際に有用な『Jug r 1(ジャグ... 2020年12月12日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) カシューナッツに含まれる蛋白質『Ana o 3』に対するIgE抗体価は、カシューナッツアレルギーを予測する カシューナッツに含まれる『Ana o 3』という蛋白質は、カシューナッツアレルギーの場合にアレルギーとなりやすい蛋白質。 ■ 食物負荷試験はリスクがあるため、血液検査などで、より精度のたかい検査が求められています。 ■ そして、いわゆる『コンポーネント(部品)』ごとに検討する『Component-resolved di... 2020年12月9日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 大豆特異的IgE抗体価は、負荷試験陽性を予測するには有用性が低い 大豆特異的IgE抗体価は、食物負荷試験の陽性を予測するか? ■ 特異的IgE抗体価は、一般的に負荷試験の陽性率を予測するために使用されます。 ■ しかし、そばやごまに対する特異的IgE抗体価は負荷試験の陽性予測としての有用性が高くないことがわかっています。 ■ そして大豆特異的IgE抗体価に関しても、負荷試験の陽性率を... 2020年10月26日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) グリーンキウイが食べられなければ、ゴールドキウイも食べられない? キウイアレルギーは少なくない。 ■ グリーンキウイは、1981年に初めてアレルギーが報告されています(J Allergy Clin Immunol 1981; 68:235-7.)。 ■ そして、ゴールドキウイ(Actinidia chinensis)は、1998年からニュージーランドから輸出されるようになったそうです... 2020年10月13日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) カシューナッツアレルギーにおけるAna o3特異的IgE抗体価は、重度のアナフィラキシーを予測する 食物アレルギーにおけるコンポーネント検査が、広く行われる様になりつつあります。 ■ 食物アレルギーの血液検査は、『粗抗原』と『コンポーネント』検査の組み合わせを使うことが多くなってきました。 ■ ある食べ物も多様な蛋白質でできていて、アレルゲン性が高いコンポーネント(=部品)もあれば、アレルゲン性が低いコンポーネントも... 2020年7月6日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 日本における、食物経口負荷試験の結果は? 食物経口負荷試験の目的が多様化している。 ■ いわゆるコロナ禍の準夜救急中です。フェイスシールド標準装備になりました。 ■ さて、食物経口負荷試験(実際にたべてみてどうなるかをみる検査)は、食物アレルギーの確定診断に重要な検査です。 ■ 以前は、『診断のための検査』がメインだったのですが、最近は、たとえば経口免疫療法... 2020年4月16日 pedallergy2016