食物アレルギー(治療) 牛乳3mLを長期間継続して摂取すると、25mLを摂取できるようになる率が徐々に増加する 乳アレルギーのある児が、定期的に乳を少量継続のんでいても1年では有効性が低いようだという報告があるものの、『長期間続けていると効果が上がってくる』という報告がなされました。 ■ 低用量で継続して同じ量で継続して摂取していると、だんだん摂取できる量がふえてくるという報告があります。 ■ たとえば卵や小麦、ピーナッツなどが... 2021年3月8日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 卵白に含まれる耐熱性蛋白質オボムコイドは、小麦と混ぜて十分加熱するとアレルゲン性が大きく下がる 卵のアレルゲン性、特に耐熱性の蛋白であるオボムコイドは小麦と練り合わせて加熱をするとアレルゲン性が下がることが知られている。 ■ 卵のアレルゲン性は、加熱により大きく下がることがよく知られていますが、オボムコイドという蛋白質は加熱のみでは十分アレルゲン性を下げにくいことがわかっています。 ■ 多くのアレルギー専門医は、... 2021年1月13日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) ピーナッツに対する経口免疫療法が成功しても、少量の摂取継続では維持できないかもしれない(POISED試験) 経口免疫療法は、食べられるようになっても摂取を継続する必要があります。 ■ 経口免疫療法は、摂取できるようになってからも継続して摂取する必要があるという限界があります。 ■ ただ、食べられるようになっても継続して摂取するのは、けっして簡単ではなく、中断してしまう方が少なからずいらっしゃいます。 ■ では、少量で食べてい... 2020年12月18日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) ダニに対する免疫療法が、エビアレルギーを改善する?:症例報告 エビアレルギーとダニアレルギーは関連する。では、ダニに対する免疫療法をすれば、エビアレルギーも改善する? ■ エビとチリダニは交差抗原になりうると考えられています。 ■ では、チリダニに対する免疫療法をすればエビアレルギーも改善するのでしょうか? ■ 昨日、『第5回臨床研究支援セミナー(CReSS)』に参加していて、... 2020年11月29日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) プロバイオティクスは、乳アレルギーの改善に有効か?:メタアナリシス 乳アレルギーの治療に、プロバイオティクスは有効か? ■ 食物アレルギーの改善に、プロバイオティクスが有効かどうかは現状では議論中といえます。 ■ とはいえ、今後考えていくべきテーマでもあり、最近のメタアナリシスを見つけたので確認してみました。 この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? 牛乳アレルギーが疑われる... 2020年10月19日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) PFAS(花粉食物アレルギー症候群)を治療することは可能か? 花粉‐食物アレルギー症候群の治療は可能か? ■ 花粉‐食物アレルギー症候群(pollen‐food allergy syndrome; PFAS)とは、花粉に対するアレルギーから、それに近縁の果物や野菜などに対してアレルギーになる疾患です。 ■ 基本的には治療は難しいのですが(除去が基本)、一部『食べ続けると改善する』... 2020年8月16日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 種々の食物アレルギーのうち、乳アレルギーの負担は特に大きいのかもしれない 年齢が長じるまで持ち越した乳アレルギーの治療は決して簡単ではなく、そしてご家族の負担も大きい。 ■ 食物アレルギーの中でも、特に年齢が長じるまで持ち越した乳アレルギーの治療は難渋することも多いです。 ■ そして乳のコンタミネーションは少なくなく、ご家族の負担も大きいことはよく感じます。 ■ その乳アレルギーの負担感を検... 2020年7月1日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 微量でも食べられない食物アレルギーでも、さらなる微量で継続して摂取すると、摂取可能量は有意に上昇する 微量を継続して摂取を継続して、どれくらい摂取量が増加するか? ■ 経口免疫療法は、どうしてもリスクを払拭することは難しく、一般診療としてはかんたんには使いにくい状況です。 ■ 微量を継続して摂取すると、『摂取可能な閾値があがる』『ある程度たべられるようになる』という報告は徐々に増えています。 ■ そこで、このテーマを考... 2020年6月25日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 卵アレルギーのある場合に、卵加工品を摂取継続と卵そのものの免疫療法で有効性に差があるか? 卵アレルギーのある場合に、卵の加工品で治療を行うケースがあります。 ■ 卵アレルギーのある児に対し、食べられる範囲で食べ続けることは『必要最小限の除去』として有効な方法で、少量で継続摂取することで食べられる量が増えてくるケースがあることは報告されています。 ■ 加工品を摂取(たとえばマフィンやビスケットなど)を継続する... 2020年6月19日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 小麦を少量で継続して摂取すると、食べられる量が増えるかもしれない 小麦アレルギーのある子どもが、少量で『増やさずに同じ量で食べ続けると』、どれくらい食べられる量が増えるか? ■ 食物アレルギーの対応方法として、『必要最小限の除去』が標準療法としてすすめられ、経口負荷試験をもとに普及してきています。 ■ さらに一方、『必要最小限の除去』を一歩すすめ、『積極的に食べる量を増やす』経口免疫... 2020年3月5日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) ベイクドエッグ(焼いた卵)やベイクドミルク(焼いた乳)は、免疫療法に使えるか? 焼き固めた卵や乳での免疫療法は有効か? ■ ベイクドミルクやベイクドエッグ(つまりは、ビスケットのような料理形態を指します)で、食物アレルギーの免疫療法ができないかを考慮した指導は少なからずあります。 ■ 加工品が食べられるお子さんが、その後その食物が食べられるようになる可能性が高いことはいえるかと思っていますが、一方... 2020年1月30日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 抗IL-33抗体 エトキマブは、ピーナッツアレルギーを効率的に改善させるかもしれない 生物学的製剤を食物アレルギーの治療に応用しようとする動きがあります。 ■ 抗IgE抗体(オマリズマブ)は、食物アレルギーにおける免疫療法の有害事象を減らすのではないかと期待されています。 ■ いわゆる『生物学的製剤』は、さまざまな分野で医療の変革をもたらそうとしています。 ■ そこで今回は、抗IL-33抗体、エトキマブ... 2020年1月25日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) ピーナッツによる舌下免疫療法は有効か? 食物アレルギーにおける舌下免疫療法の報告。 ■ 食物に対する免疫療法は潜在的にリスクがあるため、その効果とリスクのバランスが取れる投与ルートが求められます。 ■ 経口、経皮、舌下、リンパ節などのルートが想定され、研究が進行中です。 ■ 経口ルート(これも研究中)以外はまだ一般的ではありませんが、経皮は海外でフェーズII... 2019年12月27日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) ハイリスクのピーナッツアレルギー患者に対する経口免疫療法で、最大量に達しない理由はなにか? 食物経口免疫療法の際、増量できない理由はなにか? ■ 経口負荷試験で解除になっても、継続して摂取できない場合があります。 ■ では、ハイリスクのピーナッツアレルギーに対し、増量できない場合にどんな理由があるかを検討した報告では、どのような理由があったでしょうか? この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? ハイリ... 2019年12月22日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 欧州免疫アレルギー学会における食物アレルギーに対する免疫療法のガイドライン 現在、注目されている『食物経口免疫療法』。現状では標準療法とはいえない。 ■ 食物アレルギーの治療における『少しずつ食べる』という経口免疫療法は、注目されてはいるものの、現在のところ標準療法ではありません。 ■ それは、日本であっても同様です。というのも、厳然としたリスクが存在するからです。 ■ ですので、あくまで研究... 2019年12月21日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 食物経口免疫療法における対照比較試験の初報告 食物経口免疫療法の対照群と比較した初報告。 ■ 食物アレルギーに対する経口免疫療法の初症例報告は、1912年まで遡ることになります(Nutr Rev 1983; 41:249-52.)。 ■ しかし、近代的な経口免疫療法の対照と比較したは1998年、RCTは2002年まで待つ必要がありました。 ■ 私の備忘録として、そ... 2019年12月17日 pedallergy2016