食物アレルギー(治療) ピーナッツに対する経口免疫療法が成功しても、少量の摂取継続では維持できないかもしれない(POISED試験) 経口免疫療法は、食べられるようになっても摂取を継続する必要があります。 ■ 経口免疫療法は、摂取できるようになってからも継続して摂取する必要があるという限界があります。 ■ ただ、食べられるようになっても継続して摂取するのは、けっして簡単ではなく、中断してしまう方が少なからずいらっしゃいます。 ■ では、少量で食べてい... 2020年12月18日 pedallergy2016
食物アレルギー(予防) 1歳までの離乳食の種類を増やすほど、喘息の発症リスクが低下するかもしれない 離乳食の多様性をはやめに増やすほど、アレルギー疾患の発症リスクが低くなるという報告があります。 ■ 離乳食に卵やピーナッツをはやめに導入すると、これらのアレルギーの発症リスクが低くなることが報告されています。 ■ ただし、その効果は、卵であれば卵アレルギーの発症予防、ピーナッツであればピーナッツアレルギーの発症予防にし... 2020年12月14日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 子どものクルミアレルギーの鑑別に、『Jug r 1』が有用である クルミアレルギーの子どもが増えています。 ■ 『東京都3歳児調査』がおこなわれ、最近、クルミアレルギーが増加しているようだという記事がありました。 参考 クルミアレルギー発症急増 食品表示義務追加へ 消費者庁(毎日新聞) ■ クルミアレルギーの鑑別がさらに注目されてくるわけですが、その際に有用な『Jug r 1(ジャグ... 2020年12月12日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) カシューナッツに含まれる蛋白質『Ana o 3』に対するIgE抗体価は、カシューナッツアレルギーを予測する カシューナッツに含まれる『Ana o 3』という蛋白質は、カシューナッツアレルギーの場合にアレルギーとなりやすい蛋白質。 ■ 食物負荷試験はリスクがあるため、血液検査などで、より精度のたかい検査が求められています。 ■ そして、いわゆる『コンポーネント(部品)』ごとに検討する『Component-resolved di... 2020年12月9日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) ダニに対する免疫療法が、エビアレルギーを改善する?:症例報告 エビアレルギーとダニアレルギーは関連する。では、ダニに対する免疫療法をすれば、エビアレルギーも改善する? ■ エビとチリダニは交差抗原になりうると考えられています。 ■ では、チリダニに対する免疫療法をすればエビアレルギーも改善するのでしょうか? ■ 昨日、『第5回臨床研究支援セミナー(CReSS)』に参加していて、... 2020年11月29日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 大豆特異的IgE抗体価は、負荷試験陽性を予測するには有用性が低い 大豆特異的IgE抗体価は、食物負荷試験の陽性を予測するか? ■ 特異的IgE抗体価は、一般的に負荷試験の陽性率を予測するために使用されます。 ■ しかし、そばやごまに対する特異的IgE抗体価は負荷試験の陽性予測としての有用性が高くないことがわかっています。 ■ そして大豆特異的IgE抗体価に関しても、負荷試験の陽性率を... 2020年10月26日 pedallergy2016
食物アレルギー(予防) 生後3~6ヶ月の粉ミルク摂取は、1歳時点での乳アレルギーを予防するかもしれない 粉ミルク摂取により、その後の乳アレルギーを予防するという大規模コホート研究の結果が日本から報告されました。 ■ SPADE試験は、生後1~3ヶ月の少量の粉ミルクの摂取継続が、乳アレルギーの予防の方策に効果があることを示しました。 ■ そしてほぼ同時に、日本の大規模コホート研究の結果から生後6ヶ月以前からの粉ミルク開始が... 2020年10月23日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) プロバイオティクスは、乳アレルギーの改善に有効か?:メタアナリシス 乳アレルギーの治療に、プロバイオティクスは有効か? ■ 食物アレルギーの改善に、プロバイオティクスが有効かどうかは現状では議論中といえます。 ■ とはいえ、今後考えていくべきテーマでもあり、最近のメタアナリシスを見つけたので確認してみました。 この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? 牛乳アレルギーが疑われる... 2020年10月19日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) グリーンキウイが食べられなければ、ゴールドキウイも食べられない? キウイアレルギーは少なくない。 ■ グリーンキウイは、1981年に初めてアレルギーが報告されています(J Allergy Clin Immunol 1981; 68:235-7.)。 ■ そして、ゴールドキウイ(Actinidia chinensis)は、1998年からニュージーランドから輸出されるようになったそうです... 2020年10月13日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 醤油に含まれる大豆アレルゲン性の低下には、火入れの過程が重要である 醤油に含まれる大豆アレルゲンはどの製造過程で大豆アレルゲン量が減るのか? ■ 昨日、醤油に含まれる小麦アレルゲンの低減に関してご紹介しました。 ■ では、醤油の大豆アレルゲンに関しては、どの醸造過程で低減するでしょう? この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? 醤油に含まれる大豆アレルゲンが、どの製造過程で除去... 2020年10月11日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 醤油には、小麦蛋白質はほぼ含まれていない 醤油の原材料に表記されている『小麦』に関して尋ねられることは少なくない。 ■ 醤油の製造において、麹の原材料として小麦が使用されることが多く、原材料表記に『小麦』が記載されています。 ■ しかし、小麦アレルギーがあっても多くの場合は醤油を摂取できることがわかっています。 ■ 製造過程で小麦アレルゲンが失活すると考えられ... 2020年10月10日 pedallergy2016
食物アレルギー(予防) 生後1ヶ月から普通粉ミルク10mL以上を摂取していると、乳アレルギーが予防できる(SPADE試験) いよいよ、乳の早期摂取開始による乳アレルギー予防介入研究であるSPADE試験が、日本から発表されました。 ■ 食物アレルギーは増えてきており、発症予防が求められています。 ■ 特に日本では、卵・乳・小麦で乳児の食物アレルギーの9割を占め、これらに関しては特に注目を集めています。 ■ そして考えられているのが『早期摂取開... 2020年9月26日 pedallergy2016
食物アレルギー(予後) FPIES(食物蛋白誘発胃腸炎)の原因としての乳やバナナは、体重増加不良の原因となるかもしれない 第69回日本アレルギー学会学術大会のFPIESのライブ講演でみかけた論文。 ■ 第69回日本アレルギー学会学術大会がweb開催中です。 参考 第69回日本アレルギー学会学術大会(JSA/WAO Joint congress) ■ その中でライブでのFPIESの講演があり、『FPIESで除去食を過剰にしすぎると体重増加不... 2020年9月19日 pedallergy2016
食物アレルギー(予防) 補完食(離乳食)の開始時期と種類は、アレルギー疾患の発症予防に影響するか? 補完食(離乳食)とアレルギー発症予防似関しての質問は多いもののシンプルに答えることは難しい。 ■ 補完食(ここではざっくりと離乳食と考えてよいです)の開始時期や、種類に関して尋ねられることが多いのですが、それぞれ相反する研究結果があったりして、なかなかシンプルにお答えすることは難しいものです。 ■ そこで、最近、かなり... 2020年9月11日 pedallergy2016
食物アレルギー(予後) 固形の食物に対する新生児-乳児消化管アレルギーの寛解は、乳のそれより長引くかもしれない 新生児・乳児消化管アレルギーに関し、乳以外の固形の食物に関しても、寛解はしやすいのか? ■ 新生児-乳児消化管アレルギーは、とくに乳で多い特殊な食物アレルギーです。 新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症 診療ガイドライン ■ 乳に多いとはいえ、他の固形の食物(卵・魚など)にも増えており、対応に苦慮することもあります。 ■ 乳... 2020年9月3日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) PFAS(花粉食物アレルギー症候群)を治療することは可能か? 花粉‐食物アレルギー症候群の治療は可能か? ■ 花粉‐食物アレルギー症候群(pollen‐food allergy syndrome; PFAS)とは、花粉に対するアレルギーから、それに近縁の果物や野菜などに対してアレルギーになる疾患です。 ■ 基本的には治療は難しいのですが(除去が基本)、一部『食べ続けると改善する』... 2020年8月16日 pedallergy2016