エアコンで悪化する子どものアレルギー性鼻炎は、重症型が多い?

アレルギー性鼻炎が重症の子どもにはエアコンが関係している?

アレルギー性鼻炎(AR)は、花粉やダニなどのアレルギー物質が原因で起こる鼻の病気です。

■ この病気は命に関わるものではありませんが、子どもたちの日常生活に大きな影響を与えます。重症のアレルギー性鼻炎を持つ子どもたちは、軽症の子どもたちと比べて不眠や日中の眠気が2倍以上多くなることが、2,275人を対象とした大規模な研究で明らかになっています。

Colás, C., et al (2012). Disease Severity Impairs Sleep Quality in Allergic Rhinitis. Clin Exp Allergy, 42(7), 1080-1087.

■ さらに現代社会では、従来知られていた花粉やダニ以外にも、意外な要因がこの病気を悪化させることが分かってきました。例えば、PM2.5や二酸化窒素などの大気汚染物質への長期間の曝露は、アレルギー性鼻炎の重症度を最大25%も増加させる可能性があることが、複数の研究をまとめた解析で示されています。

Rosario, C. S., et al (2024). Air Pollution and Rhinitis. Frontiers in Allergy, 5, 1387525.

■ 世界的な専門家のガイドラインでは、ARを軽症や中等症~重症に分類しています。

■ これまでの研究では、この病気を見つけるための検査方法については調べられていますが、軽症と重症の子どもたちにどんな違いがあるかについては、まだよく分かっていない点もあります。

■ そこで最近、ARの重症度によって子どもたちにどんな特徴の違いがあるかを詳しく調査されました。そこで浮かび上がってきたのが、「エアコン」でした。

Zeng Y, Lin T, Xie W, Gao S, Zeng Q, Luo X, et al. Characteristics of Pediatric Allergic Rhinitis With Different Disease Severity. Mediators Inflamm 2025; 2025:5553039.

中国の医療施設を受診したアレルギー性鼻炎の子ども1054人(3歳~18歳)を対象に、症状の重症度別に4つのグループに分けて、環境要因や症状の特徴を8年間(2015年~2023年)にわたって調査した。

背景

■ アレルギー性鼻炎(AR)の診断バイオマーカーの特定に焦点を当てた多くの研究があるものの、さまざまな重症度を持つ小児ARの特徴に関するデータは限られている。
■ そこで、さまざまな重症度の小児ARの特徴を比較することを目的とした。

方法

■ AR患児1054名を登録し、軽症間欠型AR、軽症持続型AR、中等症から重症の間欠型AR、中等症から重症の持続型ARに分類した。

■ すべての患児に対して、詳細な人口統計学的情報を含む質問票調査を実施した。
■ 血球分析は自動血液学分析装置を用いて実施した。

結果

■ 授乳パターン、食習慣、屋外活動時間、総IgE、好酸球数、好酸球の割合について、異なるARサブグループ間で有意差は認められなかった。

■ しかし、中等症から重症の持続型群では、ARの家族歴の有病率が高いことが認められた。
■ 中等症から重症の持続型ARの小児では、エアコン使用時に症状が悪化する傾向がより強く見られた。
■ 多変量回帰分析でも、エアコン使用時の症状悪化が疾患重症度と関連していることが示された。

結論

■ この研究は、エアコン使用時の症状悪化が小児ARの重症度の予測因子として考えられることを示唆している。
■ 医師および保護者は、より重篤な症状を予防し、可能な限り早期にこれらの患者の生活の質を改善するために、このような小児に特別な注意を払うべきである。

 

 

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