気管支喘息(病因) 子どものときのペットの飼育と喘息の発症は、どのように関連しているか? ペット飼育とアレルギーに関しては、相反する研究結果があり、シンプルな答えが難しい。 ■ アレルギーのある患者さんに『ペットを飼ってもよいかどうか』を聞かれることは少なからずあります。 ■ しかし、その答えに確定的にお答えすることは簡単ではありません。 ■ 最近、さまざまな欧州のコホート研究、Avon Longitudi... 2023年5月11日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 1歳未満でRSウイルスに罹ると、5歳までに喘息になりやすいかもしれない:INSPIRE研究 RSウイルス感染は、その後の『喘鳴』を悪化させる可能性がある。 ■ RSウイルス感染症は、 1歳までに7割、2歳までにほぼすべての子どもが1回はかかるという、感染症の原因としてとても多いウイルスです。 ■ しかし、『1歳未満でのRSウイルス感染』が、5歳までの喘息発症に関連する可能性があるかもしれないという報告が、La... 2023年5月3日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 雷雨喘息のリスクになる因子はなにか?:TAISARスタディ 『雷雨喘息』という、オーストラリアのメルボルンでの事件で有名になった病態があります。 ■ 豪雨があったときに急に悪化する喘息発作があります。 ■ 「雷雨喘息(Thunderstorm-asthma)」と呼ばれており、花粉が雷雨によって湿気で破裂したり地上にたたきつけられて細かくなってちらばり、気管支に吸い込まれて発作が... 2022年7月10日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) ヤケヒョウヒダニに対して早期に感作すると、その後のアレルゲンへの感作も進みやすいかもしれない アトピーマーチは経皮感作だけでなく、『感作が感作をよぶ』という面からも考えられるようになっている。 ■ 『アトピーマーチ』の問題は、経皮感作の面から考えられていました。 ■ もちろんそのルートは確かだとしても、最近、『感作そのもの』が他の感作を呼ぶのではないかという考え方も出てきています。 ■ そのテーマでの報告。 ... 2022年4月28日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) アレルゲン量が少なくすぎても多すぎても、ネコアレルゲン感作は少なくなる ネコアレルゲンに対する『ベル型』の用量依存性反応。 ■ アレルゲンに対する感作に関し、アレルゲンが少ないほうが感作率が少ないということは理解しやすいですが、多すぎても感作率が下がるという報告があります。 ■ 『ベル型』という、この用量依存性の反応に関する報告を紹介します。 この論文でわかったことを、ざっくりまとめると... 2022年4月27日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 小児期の食物アレルギー/食物アレルゲン感作は、成人期の気道アレルギーのリスクを上げるかもしれない 経皮感作だけでなく、『感作そのもの』がその後の別のアレルギーのリスクに注目されるようになってきている。 ■ 乳幼児期のアトピー性皮膚炎がその後の気管支喘息の発症リスクになることは、すでに多くの報告が公開されています。 ■ 一方で、乳幼児期の食物アレルゲン感作が、その後の気管支喘息の発症リスクがあがることも報告され(J ... 2022年3月6日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 寄生虫感染は、アレルギーを改善させるのか? 寄生虫感染で、アレルギーは軽くなるのか? ■ 先日、感染症大全という本を読んでいました。 ■ 内容は濃密でとてもおもしろかったのですが、寄生虫の解説のところで『寄生虫を駆虫したからアレルギーになりやすくなる』という趣旨の話が記載されていました。 ■ 以前、寄生虫感染をするとIgE抗体が多量に産生され、競合的に他のIgE... 2022年1月4日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) アレルゲン性の低い犬種はあるか? 低アレルゲン性の犬種というのはあるか? ■ 『低アレルゲン』犬種に関して聞かれることがあります。 ■ しかし、残念ながらアレルゲン性が低い犬種というのはなく、むしろ低アレルゲン性とされるイヌの毛および皮せつからはむしろアレルゲンが多く検出される…というようなデータすらあります。 ■ 最近、このテーマの検討があったので、... 2021年11月25日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) イヌやネコアレルゲンが、喘息発作を起こす濃度で存在する頻度は、どれくらいか? ペットのアレルゲンは、どれくらいの頻度・濃度で家庭に存在するのか? ■ ペットは、アレルゲンとして大きなものです。 ■ たとえば米国国民健康栄養調査調査(National Health and Nutrition Examination Survey)に参加した数千万人のデータを確認すると、イヌにアレルギーのある喘息患... 2021年3月7日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 発展途上国から先進国に移住すると、アレルギー疾患が増えるかもしれない 文明がすすむほど、アレルギー疾患が増えることがわかっている。 ■ アレルギー(特に喘息)は、文明がすすむほど増えることが知られています。『衛生仮説』といわれている現象です。 ■ たとえば、発展途上国から先進国に移住すると、アレルギー疾患が増えるといったことが起こってくることが報告されています。 ■ そこで、このテーマに... 2021年2月9日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 気管支喘息は、新型コロナ(SARS-Cov2)で悪化する原因になるか?(第2回/全2回) 『Th2サイトカイン(アレルギー疾患に関与する情報伝達物質)』が高いと、新型コロナウイルス(SARS-Cov2)が人体に侵入するための受容体のひとつであるACE2を阻害し、重症化を防ぐのではないかと考えられている。その論考の後半。 ■ 昨日のつづきです。 ■ 前回は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はACE... 2020年6月9日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 気管支喘息は、新型コロナ(SARS-Cov2)で悪化する原因になるか?(第1回/全2回) 新型コロナは、喘息を悪化させるのか? ■ 最近、非常に多い質問が『新型コロナが悪化する”基礎疾患”に、喘息が含まれますか?』というテーマがあります。 ■ そして最近になって、国立成育医療研究センターより新型コロナウイルス感染症で重篤になった患者には、気管支喘息患者がむしろ少ないという結果が報告されました。 国立成育医療... 2020年6月8日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) アトピー性皮膚炎があると、喘息の有病率が3倍になる アトピー性皮膚炎は、喘息の発症リスクになる。 ■ アトピー性皮膚炎は、『経皮感作』を通して感作のリスクになり、さらにはその他のアレルギー疾患の発症リスクになります。 ■ そのため、『皮膚』がアレルギー疾患予防のターゲットとして注目されています。 ■ そして最近、アトピー性皮膚炎がある患者さんには喘息も併発している可能性... 2020年4月5日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) ネコアレルギーのある喘息児は、ネコを飼っている家庭が多い環境では発作が起こりやすくなるかもしれない ペットに対する対応は、なかなか難しい。特にネコのふけは衣服について拡散する可能性がある。 ■ ペットアレルギーに対する対応は決して簡単ではありません。 ■ 衣服についてネコのふけが拡散することもわかっています。 ■ 共存できるような状況であれば、それはそれで飼い続けてもいいかな…と私は思っていますが、意外な経路で喘息に... 2020年3月22日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 喘息の悪化要因となるというハウスダスト1gあたりチリダニ”10μg”の報告した初期の研究 ハウスダスト中のダニの量と、喘息との関連。 ■ 喘息に関して調べていると、たびたび出てくるの『ダニへの曝露量の目安』です。 ■ ハウスダスト1gあたりのダニの蛋白質量が10μgを超えるとリスクが高くなり、2μgを下回るとリスクが低くなるとされています。 ■ これらの検討は、1990年代の古い研究で基本的には終わっていま... 2020年1月7日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) ダニが気管支喘息の悪化原因になっていることを報告した初論文 ダニが喘息の悪化要因ではないかと報告した初の論文。 ■ 今回は最新論文ではありません。 ■ ダニが喘息の悪化の原因になることは、現在ではほとんどの方がご存知でしょう。 ■ そのきっかけになった論文です。1969年発表…50年前ですね。 ■ なお、IgEは、日本の石坂夫妻によって1966年に発見されています(すごいです…... 2019年12月31日 pedallergy2016