小児科(総合) 『おくるみ』は、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)のリスクを上げるか? おくるみと発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)には関連があると考えられている。 ■ おくるみは、世界中で、赤ちゃんを落ち着かせて眠りにつかせる助けとして使用されたり、冬に寒さをしのぐのによいと信じられている文化圏もあります(Pediatrics 2007; 120:e1097-106.)。 ■ 一方で、発育性股関節... 2022年11月8日 pedallergy2016
小児科(総合) 川崎病の流行は、特定の感染症の流行と関連しているかもしれない 新型コロナのパンデミック時、一般的な感染症の流行がすくなくなった。その時期には、川崎病も減ったことが報告されている。 ■ 川崎病は、2012年のRAISE studyからステロイドの有効性が示唆され、ガイドラインが改定されるなど治療の発展がつづいているものの、病因に関しては十分に解明されたとはいえません。 ■ 感染症が... 2022年10月22日 pedallergy2016
小児科(総合) 新規片頭痛治療薬、抗CGRP抗体(ガルカネズマブ)の有効性は? ガルカネズマブ (商品名エムガルティ)が、他剤の有効性の低い片頭痛への保険適用となりました。 ■ 片頭痛治療薬は、この20年程度あたらしい治療薬が現れていない状況でした。 ■ そのような中、今年になって抗 CGRPモノクローナル 抗体が、18歳以上の他剤の有効性が不十分な片頭痛に保険適用となりました。 ■ 日本で行われ... 2021年12月25日 pedallergy2016
小児科(総合) 砂糖のはいっている飲料の価格が上がると、肥満の子どもが減るかもしれない 加糖飲料の消費量が減ると、肥満が減るのか? ■ メキシコでは、2014年1月にソーダ、エナジードリンク、ペットボトルのお茶、果汁飲料、フレーバーウォーターなどの糖分を含む飲料に対して、1リットルあたり1メキシコドル(0.08米ドル)(約10%)の課税をはじめました。 ■ その結果、加糖飲料の購入量は平均で約8%減少し、... 2021年12月14日 pedallergy2016
小児科(総合) 夜尿症に対するアラーム療法は、睡眠前に水分負荷をしたほうが夜尿が改善する可能性があがるかもしれない 夜尿症に対するアラーム療法は、有効な治療ですが、再燃が問題点としてあります。 ■ 夜尿症は少なくない疾患ですが、治療のファーストチョイスとしてはデスモプレシンもしくはアラーム療法(併用もあり)です。 ■ アラーム療法は薬物を使わない方法ではあるものの、再燃が多いことが問題点として挙げられます。 ■ 一方で、デスモプレシ... 2021年11月29日 pedallergy2016
小児科(総合) 『鉄玉子』は、鉄欠乏性貧血に有効なのか? ”鉄玉子”は、鉄欠乏性貧血に有効か? ■ 『”鉄玉子”は鉄欠乏性貧血に有効か?』に関しては、ときどきネットで見かけます。 ■ 要は、鉄鍋や鉄のインゴットが料理にとけて、鉄を無理なく摂取できるのではないか?ということをテーマにしています。 ■ 基本的に私は鉄欠乏性貧血にこれらの方法は禁止もしませんが、『もし効果があればい... 2021年9月28日 pedallergy2016
小児科(総合) 靴下の匂いは、蚊を引き寄せるかもしれない 蚊は、どのような理由で人間に誘引されるか? ■ 『なぜ私ばかり蚊に刺されるのでしょうか?』という質問をときどき受けます。 ■ 蚊の誘引物質に関しては、多くの成分が同定されています。 ■ 人が吐く二酸化炭素から、最近は皮膚の表面の細菌叢がひとによって異なり、その細菌叢の違いによって誘引する程度がことなるのではないかという... 2021年8月14日 pedallergy2016
小児科(総合) 耳かきをすると咳が誘発される『アーノルド反射』と慢性咳嗽の関係とは? 外耳道を刺激すると咳が誘発される反射を、『アーノルド反射』といいます。 ■ 『耳かきをすると咳がでる』という訴えは、たまに聞くことがあります。 ■ この反射は、『アーノルド反射』としてしられています。 ■ アーノルド反射を報告したフィリップ・フリードリッヒ・アーノルドは、19世紀のドイツの解剖学者で「史上最高の解剖学者... 2021年8月13日 pedallergy2016
小児科(総合) 体位性頻脈症候群(起立性調節障害の一病型)の危険因子はなにか? 体位性頻脈症候群(POTS)は起立性調節障害の中でも多く、リスク因子を意識することは重要です。 ■ 起立性調節障害は、きわめて多い疾患でこれから気温が高くなってくるとさらに発症する子どもが増えてきます。 ■ 起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群、神経調節性失神、遷延性起立性低血圧といったタイプに分けられ、体位性頻脈症候群... 2021年4月17日 pedallergy2016
小児科(総合) 小児の脱水症を評価するには、どの身体所見が有用か? 小児の脱水を、身体所見や経過から見分ける知識は重要といえる。 ■ 胃腸炎の際の脱水は、小児にとってもっとも警戒すべき病態でしょう。 ■ しかし、血液検査を全員にする必要なんてもちろんありませんし、輸液に比較して経口補液は効果に劣らず安全という報告もあります。 ■ すなわち、症状や診察所見から、脱水(5%以上)を見分ける... 2020年12月3日 pedallergy2016
小児科(総合) 睡眠不足があると、風邪をひきやすくなる 睡眠不足は、風邪をひきやすくする? ■ 『風邪をひきにくくするために睡眠を十分取りましょう』とはよくある助言と言えましょう。 ■ では、実際に睡眠不足は風邪をどれくらい引きやすくするのでしょうか? この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? 健康な成人ボランティア( 21~55歳)計153人に対し、14日間の睡眠... 2020年11月15日 pedallergy2016
小児科(総合) 小児の胃腸炎に対し、経口補液は経静脈補液(点滴)に効果は劣らない 経口補液は、経静脈輸液(いわゆる点滴)に劣るのか? ■ 経口補液(経口補水)は、小児の胃腸炎に対する治療の中心です。 ■ 『点滴をしてほしい』という希望は少なからずありますが、実際は経口補液と有効性は変わらないという報告があります。 ■ 経口補液とは、『適切な塩分と糖分濃度』の水分を少しずつ飲んでいく方法です。 参考 ... 2020年11月7日 pedallergy2016
小児科(総合) 子どもの便秘に対する薬剤は? 小児の便秘に対する薬物治療に対するレビュー。 ■ 便秘は、生活の質を下げますし、場合によっては成長も阻害する可能性があります。 ■ ですので、うまく治療をしていく必要があります。 ■ 便秘の治療はweb記事でも解説しましたが、便秘の治療の最初は、まずは『便の栓を抜く』ことから始まります。 ■ つまり、多くの場合は、『浣... 2020年11月1日 pedallergy2016
小児科(総合) 慢性の便秘は、小児の成長を遅らせるかもしれない 便秘症には、さまざまな悪影響があります。 ■ たとえば、慢性便秘は生活の質を大きく下げます(Journal of pediatric gastroenterology and nutrition 2005; 41:56-60.)。 ■ それだけでなく、成長も阻害するのではないかという報告もあります。 この論文でわかっ... 2020年10月31日 pedallergy2016
小児科(総合) ロタウイルス胃腸炎に伴う尿路結石の特徴は? ロタウイルスは胃腸炎だけでなく多彩な合併症をきたします。 ■ ロタウイルスワクチンがこの10月に定期ワクチンになり、今後ロタウイルスにより重篤化する方が減ることが期待されます。 ■ ロタウイルスは胃腸炎を起こすことは知られていますが、一部脳炎をきたしたり、胃腸炎関連痙攣をおこしたり、そして稀ながら尿路結石をおこすことが... 2020年10月15日 pedallergy2016
小児科(総合) 小児の便秘に食物繊維は有効か? 食物繊維は、小児の便秘に有効か? ■ 食物繊維が便秘に有効かを検討した研究結果は多くはないですが、有効であるという文脈で論じた報告はすくなくありません(Alimentary Pharmacology & Therapeutics 2019; 49:506-15.)。 ■ このテーマでみつけたメタアナリシス、元の... 2020年10月14日 pedallergy2016