アトピー性皮膚炎(診断) テープストリッピングにより採取された検体は、アトピー性皮膚炎の病態の検討を可能にするか? より侵襲の少ない検体採取が、アトピー性皮膚炎の病態解明に必要とされている ■ バイオマーカーはさまざまな検討されていますが、できれば侵襲の少ない(痛みの少ない)検査が望まれます。 ■ そんななか、『テープストリッピング』による検討がAllergyに報告されていました。 この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? ... 2022年5月24日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(病因) ペット飼育と活動レベル・アレルギー疾患・精神的健康との関連は? ペットの飼育は、精神面や活動面では良い影響が考えられ、一方でアレルギー疾患には悪化の要因になると考えられている。 ■ アレルギー疾患のある方が、新規にペットを飼い始めるとアレルギー疾患が悪化することは、普段経験されることではあり、積極的に推奨は難しいといえます。 ■ しかし、一方で、ペット飼育が『アニマルセラピー』とい... 2022年4月23日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) TRPV1阻害剤であるアシバトレップ外用薬は、アトピー性皮膚炎の症状を改善させる:CAPTAIN-AD試験 TRPV1は1997年に発見されノーベル賞を受賞した受容体で、アトピー性皮膚炎の悪化に関係することがわかっています。 ■ TRPV1とは、1997年に遺伝子クローニングされたカプサイシン受容体です。 ■ TRPV1は、2021年にDavid Julius教授とArdem Patapoutian教授がノーベル生理学・医学... 2022年4月8日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) デュピルマブは、円形脱毛症に有効かもしれない:ランダム化比較試験 円形脱毛症の治療に、デュピルマブが奏功する? ■ 円形脱毛症(alopecia areata)は後天性脱毛症の中で最も頻度が高く、人口の0.1~0.2% に発生していると考えられています。 ■ 円形脱毛症は、2型アレルギーに関連することが示唆されており、アトピー性皮膚炎の方により多く発症し、そして円形脱毛症の方にアトピ... 2022年3月29日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) 新規抗炎症薬、PDE4阻害外用薬ジファミラスト軟膏の日本人成人に対する有効性と安全性は? おそらく、今年中にはアトピー性皮膚炎に対する規外用薬PDE4阻害薬が使用できるようになります。 ■ アトピー性皮膚炎に対する新規外用薬PDE4阻害薬は、海外ではクリサボロール(商品名Eucrisa)として承認されており、生後3ヶ月以上で使用できるようになっています。 参考サイト(英語・メーカーサイト) Eucrisa ... 2022年2月27日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) JAK阻害薬ウパダシチニブ(リンヴォック)を日本人に投与した第三フェーズ試験の結果は? 内服JAK阻害薬が、12歳以降の重症アトピー性皮膚炎に使用できるようになりました。 ■ 内服JAK阻害薬は、重症のアトピー性皮膚炎に使用することができるようになりました。 ■ 薬価は高価であり、処方できる条件などに制限がありますが、有効性は高い薬剤です。 ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎への適応拡大について(日本皮膚科... 2022年1月9日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(副作用・害) タクロリムス(プロトピック)軟膏は、10年に渡り観察しても悪性腫瘍の発生リスクをあげない(APPLES試験) タクロリムス(プロトピック)軟膏に関して、『がんとの関連に関する説明の必要性』が撤廃されました。 ■ タクロリムス(プロトピック)軟膏は、2003年から日本でも小児に使用できるようになりました。 ■ ステロイド外用薬が、長期間おなじ場所に塗ると、皮膚の菲薄化(うすくなる)、毛細血管血管拡張などが発生することで問題を起こ... 2021年12月21日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) デルゴシチニブ(コレクチム)軟膏は、角質水分量や皮膚のバリア機能を改善させるかもしれない アトピー性皮膚炎に対する新規抗炎症薬コレクチム軟膏の知見が増え始めている。 ■ デルゴシチニブ(コレクチム)軟膏は、世界に先行して日本で使用されるようになった外用JAK阻害薬です。 ■ そのため、まだまだ臨床的な報告が少ないのですが、日本皮膚免疫アレルギー学会の英文誌に、デルゴシチニブ軟膏の効果に関する臨床研究報告があ... 2021年11月19日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(病因) 生後3ヶ月時のアトピー性皮膚炎、ドライスキン、経皮水分蒸散量は、その後の感作を予測する TEWLと感作に関して注目されてきている。 ■ 経皮水分蒸散量(TEWL)とは、皮膚のバリア機能を推測するための指標です。 ■ そしてTEWLが、アトピー性皮膚炎の発症を予測することは既報があります。 ■ そんな中、PreventADALL試験をのフォローアップ研究から、さらにそのことを補強した検討結果がAllergy... 2021年11月16日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(病因) 日本だけでなく、韓国でも小児のアトピー性皮膚炎が減り始めている 平成26年の調査以降、アトピー性皮膚炎の有症率が下がりつつある理由は、はっきりしているわけではない。 ■ 最近になって、東京の3歳児調査でのアトピー性皮膚炎の有症率がさがりはじめ、後追いするように食物アレルギーの有症率が下がってきています。 アレルギー疾患に関する3歳児全都調査(概要版) アレルギー疾患に関する3歳児全... 2021年11月8日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) セラミドなど3種類の保湿成分が配合されたモイスチャライザーは、エモリエントよりTEWLを有意に低下させる 保湿剤の性能差が、アトピー性皮膚炎の発症予防を左右する可能性が指摘されるようになってきている。 ■ おそらく、アトピー性皮膚炎の発症予防にたいし、研究結果に差があることは、保湿剤の性能差に由来している可能性があります。 ■ 保湿剤ごとの性能差に関する検討は不十分であり、今後、保湿剤の性能差をみながら、『どの保湿剤を使う... 2021年11月7日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) 新規PDE4阻害剤(ジファミラスト)軟膏は、小児のアトピー性皮膚炎に有効か? アトピー性皮膚炎に対する新規外用薬、PDE4阻害薬ジファミラストが近日中に小児でも使用できるようになりそうです。 ■ アトピー性皮膚炎に対するPDE4阻害剤を使用した新規外用剤ジファミラスト(モイゼルト)軟膏が、製造販売承認を取得したというニュースがありました。 アトピー性皮膚炎治療剤「モイゼルト®軟膏」の製造販売承認... 2021年11月3日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(副作用・害) アトピー性皮膚炎という疾患の負荷は、病気全体の中でどれくらいの位置か? アトピー性皮膚炎の負担は、他の疾患と比較してどれくらいにあたるのか? ■ 病気の負担の程度を比べるのは、個々の方々の状況にも応じると思われますが、アトピー性皮膚炎が生活の質を大きく下げることは間違いないでしょう。 ■ Global Burden of Disease(世界疾病負担)調査という世界的な調査が毎年行われてお... 2021年10月27日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(副作用・害) 1歳未満で発症したアトピー性皮膚炎は、1歳以降に発症したアトピー性皮膚炎よりも感作やアレルギー性鼻炎のリスクを上昇させる 乳児期のアトピー性皮膚炎は、感作のリスクを上昇させるが、乳児期以降に発症したアトピー性皮膚炎よりもそのリスクは高いかもしれない。 ■ 乳児期発症のアトピー性皮膚炎は、その後のアレルギー疾患の発症リスクになることが知られています。 ■ 一方で、1歳時にアトピー性皮膚炎があっても、感作がなければ喘息の発症リスクにはならない... 2021年10月19日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(予防) 乳児期からの保湿剤の塗布は、アトピー性皮膚炎の発症を予防するか?:システマティックレビュー&メタアナリシス 新生児期からの保湿剤定期塗布とアトピー性皮膚炎の発症予防に関し、相反する結果が報告されている。 ■ 新生児期からの保湿剤の定期塗布に関して、現在、意見が交錯している状況と思います。 ■ 2019年前半まで『予防できる』としていた報告が多かったのですが、2019年後半くらいから『予防できない』という大規模研究がいくつかで... 2021年10月16日 pedallergy2016
アトピー性皮膚炎(治療) 保湿剤は、保湿成分とワセリンのふたつの相乗効果で有用性が高くなるかもしれない エモリエントとモイスチャライザー、そして基剤の性質を考えながら保湿剤の処方を組み立てていくことが求められる。 ■ 保湿剤に関して、エモリエントとモイスチャライザーの違いを考えながら処方する必要性があります。 ■ そして、アトピー性皮膚炎に対してはモイスチャライザーを優先しながら、一般的に冬にはワセリンなどの基剤の追加を... 2021年10月11日 pedallergy2016