食物アレルギー(予後) 卵のコンポーネントに複数感作されていると、卵アレルギーが治りにくいかもしれない 初期の段階で、卵アレルギーの予後を予測することは重要かもしれない。 ■ 卵アレルギーは、乳児期におけるもっとも多い食物アレルギーです。 ■ 一部は自然に寛解しますが、一方で長く持続する場合もあり、予後を予測することは重要です。 ■ もともとの特異的IgE抗体価が高い、アトピー性皮膚炎の存在、12ヶ月間の特異的IgE抗体... 2021年2月28日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 魚のトロポミオシンアレルギーは、貝アレルギーと関連するか? 魚アレルギーの患者さんは増えているが、その他の海産物との交差抗原性に関する報告は不足している。 ■ 魚アレルギーは増えている印象ですが、対応に苦慮することも少なくありません。 ■ 魚アレルゲンは主にパルブアルブミンが原因抗原とされていますが、最近トロポミオシンが原因となることも報告されてきています。 ■ トロポミオシン... 2021年2月27日 pedallergy2016
食物アレルギー(予後) 卵アレルギーは、診断後12ヶ月間の卵白特異的IgE抗体価の減少率が大きいと寛解しやすい 卵アレルギーは、自然に改善することが多いとはされているものの、一部は寛解せずに長期化する。 ■ 卵アレルギーは、自然寛解(自然によくなる)傾向があることが知られています。 ■ しかし、先行研究でも、もともとの特異的IgE抗体価が高いなどあると、寛解しにくいことが知られています。 ■ 最近、韓国から、卵の寛解は『診断から... 2021年2月24日 pedallergy2016
食物アレルギー(予後) 乳児期と、より高い年齢での食物によるアナフィラキシーに違いはあるか? 乳児期早期に離乳食を導入するというテーマが注目されており、そのリスク評価が求められている。 ■ ピーナッツを離乳食に早期導入するとピーナッツアレルギーが減るというLEAP研究が発表されたあと、離乳食を早期導入することに関心が集まってきています。 ■ 一方で、早期導入することのリスクに配慮する必要があります。 ■ 乳児期... 2021年2月23日 pedallergy2016
食物アレルギー(予防) 『ピーナッツ早期導入前のアレルギー検査』は、どれくらい過剰に診断し、どれくらい見逃す可能性があるのか? 『離乳食前のアレルギー検査』は、どれくらい過剰に診断し、どれくらい見逃す可能性があるのか? ■ LEAP試験では、『乳児期早期発症の湿疹および/または卵アレルギー』のある児は、ハイリスク群としてあつかい、事前に皮膚アレルギー検査(プリックテスト)を行っています。 ■ この基準であれば、ある程度許容される事前検査でしょう... 2021年2月16日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 乳児期の顔の湿疹は、乳アレルギーのリスクになるかもしれない 乳児期の湿疹、どの箇所にあると食物アレルギーのリスクになりやすいか? ■ 乳児期の湿疹が、その後の食物アレルギーのリスクになることは、多くの研究であきらかになっています。 ■ では、どの箇所や性状の湿疹があると、食物アレルギーのリスクがより高くなるのでしょうか? ■ 最近のレトロスペクティブな症例対照研究をご紹介します... 2021年2月14日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 離乳食の導入時にリスクが高い乳児を鑑別するために、湿疹以外にどのような点が着目されるか? 離乳食導入時、どんな因子があると発症予測ができるか? ■ 生後半年から卵を早期導入するという『鶏卵アレルギー発症予防に関する提言』が示されてから、離乳食の導入時のリスクに関心があつまっています。 ■ そして、『湿疹』が、その導入時のリスクに大きな影響があることは確かで、家族歴以上の影響があることが報告されています。 ■... 2021年2月7日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 家族のピーナッツアレルギーと本人の湿疹の既往、どちらが強くピーナッツアレルギーの発症に関連するか? 家族歴と湿疹の既往。どちらのほうがピーナッツアレルギーの発症に強く関連するか? ■ 乳児期の湿疹は、その後の食物アレルギーの発症リスクとして大きな影響を及ぼすことがわかっています。 ■ 最近、ピーナッツの離乳食早期導入が、ピーナッツアレルギーの発症を予防することがあきらかにされました。 ■ 一方で、卵アレルギーの発症予... 2021年1月25日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 鳥の羽と卵黄中の蛋白質αリベチンが交差して起こる『bird-egg症候群』とは 卵黄アレルギーは少ないのですが、成人女性に多いと言われる”bird-egg症候群”は、卵黄中のアレルゲンが交差して起こるとされています。 ■ 小児で多い卵アレルギーの多くは、卵白中のアレルゲンによって引き起こされます。 ■ ですので、混入さえなければ、多くは卵黄は摂取可能で、『微量混入』である『卵黄つなぎ』は摂取できる... 2021年1月16日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) 卵白に含まれる耐熱性蛋白質オボムコイドは、小麦と混ぜて十分加熱するとアレルゲン性が大きく下がる 卵のアレルゲン性、特に耐熱性の蛋白であるオボムコイドは小麦と練り合わせて加熱をするとアレルゲン性が下がることが知られている。 ■ 卵のアレルゲン性は、加熱により大きく下がることがよく知られていますが、オボムコイドという蛋白質は加熱のみでは十分アレルゲン性を下げにくいことがわかっています。 ■ 多くのアレルギー専門医は、... 2021年1月13日 pedallergy2016
食物アレルギー(予防) 小麦を離乳食に早期に導入すると、セリアック病の発症が減るかもしれない 小麦の離乳食早期導入が小麦アレルギーを予防するかどうかのデータは十分でないものの、『セリアック病』の予防効果が示唆されてきている。 ■ 離乳食の早期導入による食物アレルギーの発症予防に関しては、さまざまな研究結果が蓄積されてきています。 ■ 現状では、小麦の早期導入に関しての研究結果は乏しく結果はでていません。 ■ 一... 2020年12月27日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 日本の年少児におけるアレルギー疾患の有症率はどれくらいか? 日本における、アレルギー疾患の有病率は? ■ 日本におけるアレルギー疾患の有病率は、ある地域で行われたものや横断研究が多く、より大規模でコホート試験などからの結果がもとめられていました。 ■ 最近になって、大規模出生コホート試験であるエコチル調査から、アレルギー疾患の有病率が報告されました。 この論文でわかったこと... 2020年12月22日 pedallergy2016
食物アレルギー(治療) ピーナッツに対する経口免疫療法が成功しても、少量の摂取継続では維持できないかもしれない(POISED試験) 経口免疫療法は、食べられるようになっても摂取を継続する必要があります。 ■ 経口免疫療法は、摂取できるようになってからも継続して摂取する必要があるという限界があります。 ■ ただ、食べられるようになっても継続して摂取するのは、けっして簡単ではなく、中断してしまう方が少なからずいらっしゃいます。 ■ では、少量で食べてい... 2020年12月18日 pedallergy2016
食物アレルギー(予防) 1歳までの離乳食の種類を増やすほど、喘息の発症リスクが低下するかもしれない 離乳食の多様性をはやめに増やすほど、アレルギー疾患の発症リスクが低くなるという報告があります。 ■ 離乳食に卵やピーナッツをはやめに導入すると、これらのアレルギーの発症リスクが低くなることが報告されています。 ■ ただし、その効果は、卵であれば卵アレルギーの発症予防、ピーナッツであればピーナッツアレルギーの発症予防にし... 2020年12月14日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) 子どものクルミアレルギーの鑑別に、『Jug r 1』が有用である クルミアレルギーの子どもが増えています。 ■ 『東京都3歳児調査』がおこなわれ、最近、クルミアレルギーが増加しているようだという記事がありました。 参考 クルミアレルギー発症急増 食品表示義務追加へ 消費者庁(毎日新聞) ■ クルミアレルギーの鑑別がさらに注目されてくるわけですが、その際に有用な『Jug r 1(ジャグ... 2020年12月12日 pedallergy2016
食物アレルギー(診断) カシューナッツに含まれる蛋白質『Ana o 3』に対するIgE抗体価は、カシューナッツアレルギーを予測する カシューナッツに含まれる『Ana o 3』という蛋白質は、カシューナッツアレルギーの場合にアレルギーとなりやすい蛋白質。 ■ 食物負荷試験はリスクがあるため、血液検査などで、より精度のたかい検査が求められています。 ■ そして、いわゆる『コンポーネント(部品)』ごとに検討する『Component-resolved di... 2020年12月9日 pedallergy2016