気管支喘息(治療) マグネシウムの追加吸入は、小児の重症喘息発作に有効か? 喘息にマグネシウムが有効? ■ マグネシウムを喘息に?と思われるかたもいらっしゃるかと思いますが、マグネシウムが平滑筋をゆるめる作用があるために切迫早産の治療に使われることからも、気管支の平滑筋をゆるめるかもしれないと想像できます。 ■ そして、硫酸マグネシウムを静脈内投与することで有効性があるものの、ネブライザー投与... 2020年11月30日 pedallergy2016
気管支喘息(治療) 寝室の空気清浄機は、小児喘息に有用か? 『空気清浄機が小児喘息に有効か』は、よく尋ねられる質問だが、十分な研究結果に乏しかった。 ■ これまで、喘息への空気清浄機の効果に関しては、限定的な報告にとどまっていました。 ■ 『環境汚染度が高く』『喘息コンロールは不十分な』ケースに有効”かもしれない”程度だったといえましょう。 ■ 最近、JAMA Pediatri... 2020年9月10日 pedallergy2016
気管支喘息(治療) ビタミンD値が低い喘息のある子どもに、ビタミンDの内服は有効か? ビタミンDの内服は、喘息発作の再発を抑えるのに有効でしょうか? ■ これまでの研究では、ビタミンDを内服することで、気管支喘息の増悪が減る可能性が示唆されていました。 ■ しかし、メタアナリシスでも結果を出すにはまだ不十分で、『ビタミンDがもともと少ない人に対してビタミンDを内服すれば効果があるかも』という考えになって... 2020年9月6日 pedallergy2016
気管支喘息(治療) 4週間以上続く子どもの痰がらみの咳に対し、抗菌薬が有効かもしれない いわゆる『風邪』に対しては抗菌薬は不要。しかし4週間以上つづく湿性咳嗽に対しては有効な可能性がある。 ■ 遷延性細菌性気管支炎 (PBB)は、2006年にMarchantらが発表した概念です。 ■ 慢性咳嗽の原因の一つとして、最近改定された小児の咳嗽診療ガイドラインに掲載されるようになった疾患でもあります。 ■ 風邪に... 2020年8月26日 pedallergy2016
気管支喘息(治療) 子どものアレルギー性鼻炎に対し、ステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン薬を追加すると喘息の増悪が減るかもしれない 喘息のコントロールが不十分な場合、ステロイド点鼻薬などの追加を考慮する方法もある。 ■ 私は、喘息のコントロールがもう一つかな?というときには、まずは環境要因や吸入手技の見直しを行うことが多いです。 ■ それらが問題なければ吸入ステロイドの増量などが考えられるわけですが、呼気一酸化窒素や下鼻甲介(鼻の粘膜)の様子を観察... 2020年7月11日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 気管支喘息は、新型コロナ(SARS-Cov2)で悪化する原因になるか?(第2回/全2回) 『Th2サイトカイン(アレルギー疾患に関与する情報伝達物質)』が高いと、新型コロナウイルス(SARS-Cov2)が人体に侵入するための受容体のひとつであるACE2を阻害し、重症化を防ぐのではないかと考えられている。その論考の後半。 ■ 昨日のつづきです。 ■ 前回は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はACE... 2020年6月9日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 気管支喘息は、新型コロナ(SARS-Cov2)で悪化する原因になるか?(第1回/全2回) 新型コロナは、喘息を悪化させるのか? ■ 最近、非常に多い質問が『新型コロナが悪化する”基礎疾患”に、喘息が含まれますか?』というテーマがあります。 ■ そして最近になって、国立成育医療研究センターより新型コロナウイルス感染症で重篤になった患者には、気管支喘息患者がむしろ少ないという結果が報告されました。 国立成育医療... 2020年6月8日 pedallergy2016
気管支喘息(治療) 喘息発作に関し、スペーサーによる定量噴霧式吸入はネブライザー吸入に劣らない 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、定量噴霧式の吸入が勧められています。 ■ 日本では、喘息発作の場合に救急外来における吸入方法はネブライザーを使用することが多いです。 ■ しかし、定量噴霧式吸入器(ボタンを押すとプシュッと薬剤が噴霧される、あれです)を、スペーサー(間に挟む補助具です)によって吸入しても同様の効果が... 2020年4月7日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) アトピー性皮膚炎があると、喘息の有病率が3倍になる アトピー性皮膚炎は、喘息の発症リスクになる。 ■ アトピー性皮膚炎は、『経皮感作』を通して感作のリスクになり、さらにはその他のアレルギー疾患の発症リスクになります。 ■ そのため、『皮膚』がアレルギー疾患予防のターゲットとして注目されています。 ■ そして最近、アトピー性皮膚炎がある患者さんには喘息も併発している可能性... 2020年4月5日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) ネコアレルギーのある喘息児は、ネコを飼っている家庭が多い環境では発作が起こりやすくなるかもしれない ペットに対する対応は、なかなか難しい。特にネコのふけは衣服について拡散する可能性がある。 ■ ペットアレルギーに対する対応は決して簡単ではありません。 ■ 衣服についてネコのふけが拡散することもわかっています。 ■ 共存できるような状況であれば、それはそれで飼い続けてもいいかな…と私は思っていますが、意外な経路で喘息に... 2020年3月22日 pedallergy2016
気管支喘息(治療) 空気清浄機は、喘息のコントロールを改善するか? 空気清浄機が喘息のコントロールに関係するかは、いまだ十分な結論はでていない。 ■ 空気清浄機の効果に関して聞かれることは多いのですが、現状では十分な研究結果があるとはいえません。 ■ 学会発表レベルの報告は、以前ご紹介しましたが、寝室におけるPM2.5量と呼気一酸化窒素(気道の炎症の程度を反映)が低下したものの、それ以... 2020年3月15日 pedallergy2016
気管支喘息(副作用・害) フェノテロール(商品名ベロテック)濫用により死亡率が増加したという『ベロテック事件』に関する報告 短時間作用性β刺激薬(SABA)の濫用を戒める、『ベロテック事件』。 ■ 今回は、やや古い報告です。 ■ フェノテロール(商品名ベロテック)は、短時間作用性β刺激薬の1種です。 ■ まだ、気管支喘息の本態が『気道の慢性炎症』と十分わかっていなかった時代に、短時間作動性β刺激薬のなかでも『効果が良い薬』として汎用されてい... 2020年2月11日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) 喘息の悪化要因となるというハウスダスト1gあたりチリダニ”10μg”の報告した初期の研究 ハウスダスト中のダニの量と、喘息との関連。 ■ 喘息に関して調べていると、たびたび出てくるの『ダニへの曝露量の目安』です。 ■ ハウスダスト1gあたりのダニの蛋白質量が10μgを超えるとリスクが高くなり、2μgを下回るとリスクが低くなるとされています。 ■ これらの検討は、1990年代の古い研究で基本的には終わっていま... 2020年1月7日 pedallergy2016
気管支喘息(病因) ダニが気管支喘息の悪化原因になっていることを報告した初論文 ダニが喘息の悪化要因ではないかと報告した初の論文。 ■ 今回は最新論文ではありません。 ■ ダニが喘息の悪化の原因になることは、現在ではほとんどの方がご存知でしょう。 ■ そのきっかけになった論文です。1969年発表…50年前ですね。 ■ なお、IgEは、日本の石坂夫妻によって1966年に発見されています(すごいです…... 2019年12月31日 pedallergy2016
気管支喘息(治療) EAACI (欧州アレルギー臨床免疫学会)による、気管支喘息に対する免疫療法のガイドライン ダニ類に対するアレルギーによる気管支喘息に、免疫療法は推奨される。 ■ ダニに対する舌下免疫療法は現状ではアレルギー性鼻炎に対する保険適用ですが、気管支喘息のある小児においてダニアレルギーがあることは多く、やはり有効性を期待して免疫療法が考慮されます。 ■ ダニに対する免疫療法が日本でも広く行われるようになってきて、さ... 2019年12月9日 pedallergy2016
気管支喘息(治療) アジスロマイシンは、成人喘息発作の増悪を減らすか?(AMAZESスタディ) マクロライド系抗菌薬を喘息コントロールに使用するかどうか? ■ 一般に、喘息に対しての定期薬として、抗菌薬は使用されません。 ■ しかし、一部の難治性喘息にはマクロライド系抗菌薬を使用することがあり、最近、GINAガイドライン2019にもオプションの治療として採用されているくらいです。 ■ その採用の理由の一つとなった... 2019年11月1日 pedallergy2016