食物アレルギー(病因) ピーナッツアレルギーは、ピーナッツが1回気道暴露するだけで発症に関係しうるかもしれない 経皮感作だけでなく、『経気道』感作も起こりうる? ■「経皮感作」という言葉は、多くの人に知られるようになりました。 ■ しかし、感作のルートとして、他にも『気道』が考えられます。 ■ 最近のマウスを使った実験では、ピーナッツを経気道で吸入させると、場合によっては1回の摂取だけでピーナッツアレルギーを引き起こす可能性があ... 2023年9月19日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) カシューナッツアレルギーがある児に起こった、ユズ風呂でのアナフィラキシーの原因とは? ペクチンは、食品や化粧品に含まれる『増粘剤』のひとつ。 ■ ペクチンは、植物の細胞壁や中葉に含まれる多糖類で、食物の増粘剤(粘度やとろみを付ける)として使用されます。 ■ ペクチンアレルギーの報告はそれほど多くはありませんが、最近、ペクチンアレルギーが疑われたカシューナッツアレルギーのある小児が、ユズ風呂でアナフィラキ... 2023年8月14日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 食洗機に残った洗剤は、腸管のバリア機能を傷害する? 『アウトサイド-イン仮説』は、皮膚にとどまらず、腸管でも成り立つ? ■ アレルギーの悪化ルート・仮説として、皮膚からの感作・悪化がひろく認められる考え方になりました。 ■ さて、経皮感作ですので皮膚を中心に考えるのですが、上皮細胞は腸管にも存在します。 ■ すなわち、アレルギー疾患の発症リスクを上昇させるアウトサイド-... 2023年8月5日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 貯蔵した穀物に増える『チャタテムシ』を食べることによりアナフィラキシーを起こした症例報告 穀物に増えるダニだけでなく、『チャタテムシ』を食べることで症状がおこる可能性がある ■ ヒラタチャタテ(ここではチャタテムシと呼称します)は、さまざまな穀類だけでなく、動物・植物、書籍の糊等に発生します。 ■ 英語ではbook liceなどと言われ、書籍に発生するという意味にとれますが、貯蔵した穀類にもいるということで... 2023年1月3日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) エビアレルギーと昆虫アレルギーは近いかもしれない 昆虫とエビは、アレルギー的には近い可能性がある。 ■ 昆虫食に関して、たまにネットニュースなどでも見かけるようになりました。 ■ その味わいに関しては、『エビに近い』という感想が多いように思います。 記者が話題の昆虫食に挑戦、体長2cmキイロスズメバチの素揚げ「サクッとした食感」「エビに近い味わい」 ■ 昆虫の養殖に向... 2022年12月29日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) ピーナッツを食べた人からのキスで、ピーナッツアレルギーを起こしうるか? 以前、広く知られるようになった、『ピーナッツアレルギーの方がキスで症状が誘発されて亡くなったという事件』は、ピーナッツによるものではなかったと結論付けられています。 ■ 昔、『重症ピーナッツアレルギーのあるひとが、恋人からキスをされたあと重篤なアナフィラキシーをおこして亡くなった』というニュースがありました。覚えていら... 2022年12月13日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) ピーナッツアレルギーのある児は、他の豆類にどれくらい感作されているか? ピーナッツは豆類。 ■ ピーナッツは、ナッツという言葉がついていますが、生物の分類的には豆類です。 ■ そして、マメ目→マメ科→ラッカセイ属:ピーナッツ、マメ目→マメ科→大豆属:大豆、マメ目→マメ科→エンドウ豆属:エンドウマメと、生物学的に分類されます。 ■ しかし、ピーナッツアレルギーのある方でも、多くの場合、大豆や... 2022年9月18日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) オーツ麦の含まれたスキンケア製品は、アトピー性皮膚炎の小児に使用すると感作の原因になるかもしれない スキンケア製品に含まれる食品成分は、経皮感作の原因となりうる。 ■ 皮膚にぬるスキンケア用品が、経皮感作の原因になることは広く知られるようになってきました。 ■ 思った以上に、市販のスキンケア製品には食品成分が含まれており、感作の原因になっています。 ■ すこし古い報告ですが、Allegy誌に、オーツ麦に対する検討があ... 2022年6月30日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 学校のホコリの中には食物アレルゲンが検出されるが、その量は家庭のそれより少ない ハウスダスト中には、食物アレルゲンが含まれている。 ■ 家庭において、ハウスダスト中から食物アレルゲンが検出されることがわかっており、日本においてはダニよりも卵のほうが多いのではないかという研究結果もあります。 ■ では、学校でも食物アレルゲンは多く検出されるのでしょうか? ■ 最近のJACI in Practiceに... 2022年6月28日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) ハチミツに、乳や小麦タンパク質が極々微量に混入しているかもしれない ハチミツに乳や小麦タンパク質が含まれている可能性がある? ■ 『ハチミツに混入する花粉に対して、アレルギー症状が出現することがありうるか』に関し、以前簡単に論じた記事を公開しました。 引用記事 ハチミツに含まれる花粉を食べて、アレルギー症状がでることはありますか? ■ その記事では、『はちみつに含まれた花粉(キク科の花... 2022年6月13日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 食物アレルギーは、その後の口腔アレルギー症候群の発症リスクをあげるかもしれない 口腔アレルギー症候群の発症リスクは? ■ 花粉食物アレルギー症候群(PFAS)は、花粉症のあるひとに、近しい果物や野菜に症状を起こすようになる疾患です。 ■ 口腔アレルギー症候群(OAS)と花粉食物アレルギー症候群(PFAS)は同義ではありませんが、論文では同じように扱われることも多いです。 ■ そのなかで、OASの... 2022年5月30日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) アトピー性皮膚炎・ドライスキン・TEWL高値は、生後6ヶ月の感作リスクを増加させる 皮膚バリア機能が低下すると、感作が増える可能性がある。 ■ TEWLは、経皮水分蒸散量の略であり、皮膚バリア機能を反映します。 ■ そして、TEWLが上がると、その後の食物アレルギーのリスクがあがることがKelleherらから報告されていましたが、その後、データハンドリングの問題があり撤回されていました。 ■ その中で... 2022年5月28日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 草むらや芝生に寝転んで、全身じんましんを発症した4歳男児の報告 花粉へ感作している子どもが増え、花粉がじんましんの原因になっているのではと思われる例が増えてきた印象があります。 ■ 最近、年齢が低いお子さんでも花粉に感作していることが増え、草むらなどで予想外のじんましんを発症するなどを聞くことが増えました。 ■ また、雑草花粉の飛散がおおい場所で運動をしてアナフィラキシー様の症状を... 2021年12月12日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 口腔アレルギー症候群(OAS)の発症リスクはどんなものがあるか? 花粉食物アレルギー症候群(Pollen food allergy syndrome; PFAS)が増加しており、問題となっている。 ■ もともと口腔アレルギー症候群(OAS)は、アレルギー症状が口腔咽頭から全身に波及し、まれにアナフィラキシーまで進展する現象として提唱されましたが、現在は、OASを花粉食物アレルギー症候... 2021年11月18日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 学校にあるテーブル拭きや床のホコリには、どれくらい食物アレルゲンが含まれるのか? 家庭のホコリの中には、食物アレルゲンが含まれる。では、学校ではどうでしょうか? ■ たとえば、家庭での卵摂取は、ハウスダスト中の卵アレルゲンを増やすことが知られています。 ■ そして、日本の家庭のおおくは、ダニアレルゲンよりも多い卵アレルゲンがあることが知られており、感作の原因になることが示唆されています。 ■ では、... 2021年10月20日 pedallergy2016
食物アレルギー(病因) 小麦アレルギーがある児は、『古代小麦』に対しても同様にアレルギー反応を起こす可能性が高い 『古代小麦』のアレルゲン性が低いとは本当か? ■ 食物アレルギーが増えてくるに従い、さまざまな情報がインターネットに拡散しており、一部には問題のある情報もすくなからず見受けられます。 ■ その一つに、『古代小麦は小麦アレルギーがあってもたべられる』というものがあります。 ■ 古代小麦というのは、品種改良がすすんでいない... 2021年9月26日 pedallergy2016