以下、論文紹介と解説です。

Sindher SB, et al. Phase 2, randomized multi oral immunotherapy with omalizumab ‘real life’ study. Allergy; n/a.

複数の食物アレルギーを持つ2~25歳の参加者60人に対し、オマリズマブで前処置を行ったうえで総タンパク質量300mgまたは1200mgのいずれかの維持量で複数の経口免疫療法を行い、18週間後のsIgG/IgE比などを確認した。

背景

■ 経口免疫療法(Oral immunotherapy: OIT)は有害事象(adverse events; AE)により中止されることが多く、現在のデータではOITの用量を下げることでAEの重症度と頻度を最小限に抑えられることが示唆されている。

■ しかし、多種食物OIT(multi-food OIT; mOIT)において、脱感作を可能にし、免疫反応を誘発することができる1日の最小投与量は不明である。

 

方法

■ 複数の食物アレルギーを持つ2~25歳の参加者を対象に、固定用量のオマリズマブで前処置を行い(150mg4週間ごとに3回投与)、総タンパク質量300mgまたは1200mgのいずれかの維持量になるようにmOITを投与し(投与全体として少なくとも2種類、最大5種類のアレルゲンが含まれる)、治療開始18週間後に実際の食物タンパク質相当に移行するように、1対1のランダム化を行った。

■ 主要評価項目は、治療18週後に、少なくとも2種類のアレルゲンのIgG4/IgE比がベースラインから25%以上増加した被験者の率だった。

■ 有効性および安全性の主要解析はintention-to-treatで行われた。

 

結果

■ 2施設で60人の参加者が登録された。

■ 両群ともに70%の被験者が少なくとも2つのアレルゲンでsIgG4/sIgE比の変化を示し、治療群間で差はなかった(OR [95%CI] 1.00 [0.29, 3.49])。

■ 全体として,AEは300mg群と1200mg群に差はなかった(19%対17%,p=0.69)。

 

結論

■ 今回のデータから、mOITとオマリズマブの固定用量を併用した場合、複数のアレルゲンを含む総タンパク量300mgであっても、血漿マーカーの変化が早期に誘発されることが示唆された。

■ OITを長期的に成功させるためには、オマリズマブを併用した最適なmOITの投与量を特定する必要がある。

試験登録: ClinicalTrials.gov(NCT03181009)。

微量でも一定の効果があるといえるが、その効果はまちまちとも言えそうだ。

■ それぞれの食物の負荷量は、負荷している食物の量によっても異なるという試験デザインでした。

■ たとえば、アレルゲンの負荷数が5個で総タンパク量300mg群の場合は1つあたり60mg、アレルゲン数が2個で1200mg群に無作為に割り振られた場合は、1アレルゲンあたり600mgです。

■ そのうえで、参加者 60 名のうち 42 名(70%)が、治療18 週後に、少なくとも 2 種類のアレルゲンの sIgG4/sIgE 比がベースラインよりも 25%以上増加するという主要評価項目を満たしたということになります。

■ また、sIgG4/sIgE比の上昇は、sIgEの変化でもたらされたのではなくsIgG4によるものです。

■ そういう意味では、『効果はあるがちょっと弱い』かなという印象です。

■ なお、ベースラインの総血清IgEが高いほど、主要評価項目成功のオッズが高いという、予想と少し異なる結果でした。

 

 

 

 

 

 

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