食物アレルギーにおける経口免疫寛容誘導療法は、まだ改良の余地がおおきいです。
■ 経口免疫療法は、リスクがどうしても十分に排除できないこともあり、標準療法とは言えません。
■ 少量定量で維持するという方法が提案されていますが、『どれくらい少量だと有効か』に関してはあきらかではありません。
■ 最近、Allergy誌に、このテーマでのRCTが報告されていましたので共有します。
時間的な余裕がなくなってきているので、以前よりざっくりの内容が増えると思いますが、私の備忘録ということもあり、ご寛恕くださいませ。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
複数の食物アレルギーを持つ2~25歳の参加者に対し、オマリズマブで前処置を行ったうえで総タンパク質量300mgまたは1200mgのいずれかの維持量で複数の経口免疫療法を行い、18週間後のsIgG/IgE比などを確認したところ、
✅ 両群ともに参加者の70%において、少なくとも2つ以上のアレルゲンでsIgG4/sIgE比が改善し、群間に差はなかった(OR [95%CI] 1.00 [0.29, 3.49])。
✅ 有害事象は、300mg群と1200mg群に差はなかった(19%対17%,p=0.69)。