まぶたや眼の周囲にステロイドを使用すると、白内障や緑内障のリスクになるか?

アトピー性皮膚炎の目の周囲のステロイド外用薬に対する懸念。

■ ステロイド外用薬は、眼の周囲にも使用されることがあり、そのステロイド外用薬は潜在的に「眼圧をあげる可能性」があります。

■ しかし、その可能性はそれほど高いものではなく、最近、眼圧を2回以上測定したアトピー性皮膚炎患者65人において、眼圧が上がった例はなかったという報告があります(Allergology international 2018; 67(3): 388-91)。

■ ただし、「潜在的な懸念」はあり、特にステロイドレスポンダーに関しては事前に予測困難であることもあり、いくつかの研究が行われています。

■ アトピー性皮膚炎に併発した眼圧上昇や白内障のリスクを検討した、横断研究のひとつをご紹介します。

 

※ 2019/4/13 追記。
この記事に関し注意喚起いたします。
「”頻度が少ないからといって”ステロイド外用薬を眼の周囲に塗ることを推奨しているものではありません」し、一方で「ステロイド外用薬を恐れるあまり使用を避けて白内障や網膜剥離のリスクをあげる」ことも望みません。
この記事を記載している段階では、眼の周囲へのステロイド外用薬を塗布が眼圧にどれくらい影響するかを検討した報告は少なく、症例集積研究にとどまります。
その中でのご紹介の記事とお考えください。
あくまで、眼周囲のステロイド外用薬は短期間にとどめ、タクロリムス軟膏などに変更を推奨します。

眼科医で緑内障が専門のSatoshi Y先生に専門家からの視点のコメントを頂いていますので、ご覧下さい。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

 平均年齢37.2±14.3歳のアトピー性皮膚炎88人に関し、

 ✅ 1人に一過性の眼圧高値があり、1人の視神経杯形成があったものの、視野における緑内障性障害はなかった(この検討ではステロイド外用薬による緑内障はないと判断された)

 ✅7人が白内障(アトピー性皮膚炎に関連した関連1人、ステロイド誘発性2人、年齢によるもの4人)の診断を受けたが、ステロイド誘発性の2人は、「全身性ステロイド薬」を使用していた。

 

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