プロトピック外用薬において添付文書に「眼に入らないように」という記載があるのは、眼に入るとリスクが大きいからではない。
■ 目の周囲や顔の湿疹に対し、ステロイド外用薬の連用は勧められないことに関してはこのブログでもなんどかご紹介してきました。
■ ステロイド外用薬からプロトピック(タクロリムス)外用薬に変更していく必要性があります。
■ プロピック外用薬の添付文書には、「眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意すること。万一、眼に入った場合には刺激感を認めることがあるので直ちに水で洗い流すこと。」という記載があります。
■ ただし、「眼に入るのが問題がある」のは、あくまで刺激があるからであり、「目の周囲に塗ってはいけないではありません」。
■ たとえば、「タリムス点眼液」の成分はプロトピック軟膏と同じ成分がはいっています。
■ そこで、プロトピック外用薬を重症のアレルギー性結膜炎に塗るというプラクティスが、「タリムス点眼薬」の登場前に使う方法が試みられていました。その研究結果をご紹介します。
■ ただし、今回ご紹介する報告は、「適応外使用」の方法ですので使用を勧めているわけではありません。あくまで、眼の周囲に使用して眼に多少入っても問題はすくないでしょうという意味でのご紹介です。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
重症アレルギー性結膜炎のある33人に対しタクロリムス軟膏(0.03%)を使用し、眼の症状スコアを確認したところ、
✅ 追跡期間平均13ヶ月(範囲12〜29ヶ月)で、重症度の平均症状スコアを有意に低下させた(右側 [5.56 ± 1.18 から 2.76 ± 1.5; p<0.001]および左側 [5.94 ± 1.16 から 2.86 ± 1.64; p<0.001])。
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