http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26946925
今回は小児集中治療に関するトピック。
P: ICU管理の小児1485名
E: 抗生物質充填中心静脈カテーテル使用群 486名
C1: 標準中心静脈カテーテル使用群 502名
C2:へパリン充填中心静脈カテーテル使用群 497名
(1:1:1の3群にランダム化)
O: 抗生剤充填カテーテルは血流感染を来す率を減らすか
結果
■ 血流感染は、標準カテーテル群18例(4%)、抗生物質充填カテーテル群7例(1%)、ヘパリン充填カテーテル群17例(3%)で認められた。
■ 1) 抗生剤充填カテーテルもしくはヘパリン充填カテーテルは、標準カテーテルに比較して有意な感染予防効果を示さなかった(HR0.71 [95%CI 0.37-1.34])。
■ 2) 抗生剤充填カテーテルは標準中心静脈カテーテルより有意に感染を減らした(HR 0.43 [95%CI 0.20-0.96])
■ 3) 抗生剤充填カテーテルはヘパリン充填カテーテルより有意に感染を減らした(HR 0.42 [95%CI 0.19-0.93])
■ 4) ヘパリン充填カテーテルは標準カテーテルと同様だった(HR 1.04 [95%CI 0.53-2.03])。
■ 標準カテーテル群の9名(2%)、抗生物質充填カテーテル群の14名(3%)、ヘパリン充填カテーテル群の8名(2%)は、カテーテル関連の不都合なイベントを経験した。
コメント
■ 抗生物質充填カテーテル対標準カテーテルの絶対危険度の差は、-2.15%(95%CI-4.09-0.20)であり、 NNT(number needed to treat)は47(95%CI 25-500)だった。
■ つまり、47例使用して1例血流感染を減らす可能性があるということ。
■ また、プライマリエンドカムは、抗生剤充填カテーテル+ヘパリン充填カテーテル>標準カテーテルを証明することだったようで、上記でいえば1)にあたる。
■ つまり、有意差が観察されたのはセカンダリアウトカムであることが注意を要する。
■ この先は、医療経済と感染対策の天秤で決定することになるだろう。