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Kim JP, et al. Persistence of atopic dermatitis (AD): A systematic review and meta-analysis. J Am Acad Dermatol 2016; 75:681-7.e11.

アトピー性皮膚炎はどれくらいつづくのか?

 GW中、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。私は、このブログがUPされるころは、日当直(24時間の日直+当直が続く当直です、、)明けのころかと思います。。

 それはさておき、今まで、アトピー性皮膚炎(AD)の予後に関し、10歳までに7割程度寛解するという台湾の報告や、、、

2歳未満に発症したアトピー性皮膚炎の予後: コホート研究

 4割から7割が改善するかも、という総論をご紹介してきました。

アトピー性皮膚炎は治るのか?

 今回はメタアナリシスによるアトピー性皮膚炎の予後をみた研究結果をご紹介いたします。

 メタアナリシスではあり、インパクトファクターの高い皮膚科専門journalですが、少し疑問が残る結果です。

 

PECO
P:1955年から2015年のMEDLINE, EMBASE, Scopus, GREAT, LILACS, Web of Science, Academic Search Complete, Cochrane Libraryを検索して抽出された15カ国の110,651人の被験者による434992患者・年のデータを含んでいる45研究
E: アトピー性皮膚炎(AD)の診断方法、研究された国、AD診断の発現頻度;
年齢と追跡調査のADの診断頻度、1つ以上のアレルゲンに対する過敏性の既往歴、AD重症度、患者の年齢、性別
C: -
O: アトピー性皮膚炎が持続する因子はなにか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅アトピー性皮膚炎の予後を、過去の論文をまとめて確認しようとしている。

 

結果

 アトピー性皮膚炎(AD)は、5歳までに87.7%が診断されており、追跡調査の継続時間は、平均3.9年±2.8 (0.25~23.0年)だった。

 AD罹患は3年間の追跡調査で急速に低下し、罹病期間の中央値は3.0年であり、80%は8年間持続せず、20歳まで持続したのは5%未満であった(平均±SE:6.1±0.02年)

 0~1歳でADと診断された患者の持続期間の中央値は、3.0年(平均±SE 5.8±0.03年)だった。

 ADの持続期間は、AD発症年齢ごとに異なり(2~5歳;中央値 8.0年; 平均 10.5±0.09年)、6~11歳(中央値 12.5年;平均14.8±0.2年)、12~17歳(中央値評価なし;平均7.5±0.03年)。比例ハザード回帰モデルにおけるAD持続リスクは、~1年の発病年齢と比較して、~5歳のHR 2.65(95%CI 2.54-2.75)、6~11歳のHR 4.22 (95%CI 3.86-4.61;すべての年齢に対しP<.0001)、~17歳 HR 2.04 (95%CI 1.66-2.49)だった。

 AD持続期間は、女性(中央値9.0年;平均12.7±0.2年)であり、男性(中央値7.0年; 平均11.7の±0.2年)より有意により長かった(HR 1.15; 95%CI 1.04-1.27; P = .006)。

 2歳までにADを発症した児は、より持続しなかった(P < .0001)。

 AD持続期間は、感作のない患者(中央値7.0年;平均7.7±0.1年)と1つ以上のアレルゲンに感作された患者で有意差はなかった(中央値8.1年;平均8.0±0.1年)(HR 1.11; 95%CI 0.92-1.33; P = .90)。

 1研究において、9~16ヵ月時にScoring Atopic Dermatitis(SCORAD)で評価されたAD患児は、軽症と判断された患児より中等症から重症である児のほうが6~12歳児にADが持続するリスクが高いことを示した(SCORAD 25-50:51.8%、SCORAD>50:53.8%、SCORAD <25:32.5%)。

 また1研究において、湿疹によって週あたり睡眠障害が、1日以内、1日より多い、1日もない、それぞれで5年後の持続率が異なることが示された(52.9%、66.7%、42.0%)。

 

 結局、何がわかった?

 ✅アトピー性皮膚炎は8年間で8割が寛解し、特に2歳未満発症の児はより寛解率が高かった。

この研究に関しては疑問点が提示されています。

 Limitationとして、いくつかの研究では再発を検討しなかったことが挙げられおり、すでに持続している児、後期発症および/またはより重篤であることは、持続の可能性が高くなったとされていました。

 先行研究に比較して明らかに寛解率が高く、疑問点も多くある研究結果です。

 おそらく、そのためでしょう、その後、疑問点を指摘した論文が二件も提示されています。二件も提示されるのは異例です。

1.    Abuabara K, Langan SM, Yu AM. Conclusions about atopic dermatitis persistence might be premature. J Am Acad Dermatol 2017; 76:e177-e8.

2.    Margolis DJ, Mitra N. Heterogeneity of data included in meta-analysis on persistence of atopic dermatitis changes interpretation. J Am Acad Dermatol 2017; 76:e181.

 また、最近報告された成人ADの検討で、成人で継続して受診しているAD患者さんの30%以上が2歳未満に発症したAD患者さんという報告もあります。この論文で指摘するほど改善するならば、成人で継続した受診患者さんの最も多い割合を占めることはないはずです。

成人アトピー性皮膚炎の病型分類: 横断研究

 正直、この論文の寛解率に関して、私はこし眉唾で読むべきかと思っています。疑問点に関して提示した論文も後日ご紹介したいと思っています。

 

 今日のまとめ!

 ✅アトピー性皮膚炎が8割は寛解することが示されたが、疑問点も提唱されており、少々眉唾で捉えるべきかもしれない。

 

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