■ 以前、ペニシリンアレルギーが疑われていても、実際に負荷試験を行ってみても90%以上は症状が誘発されないことをご紹介いたしました。
■ では、すでにペニシリンアレルギーが疑われている患者さんが入院されたとき、入院中にアレルギー検査を行うことは抗生剤使用基準に影響するのでしょうか?
■ abstractのみのまとめですが、少し興味深い結果でしたのでご紹介いたします。
E: ペニシリンアレルギーの疑われる患者に対する入院中のペニシリンアレルギー検査
C: -
O: 抗生剤の使用基準が変更されるか
結局、何を知りたい?
✅ペニシリンアレルギーが疑われる患者さんに対し、入院中にアレルギー検査を実施することで抗生剤の選択が変わるかどうかということを知ろうとしている。
■ 経口アモキシシリン負荷試験の有無にかかわらず、ペニシリン皮膚試験(PST)が主要な介入だった(18研究)。
■ PST陰性に対するpopulation-加重平均は、95.1%[CI 93.8-96.1]だった。
■ 入院患者におけるペニシリンアレルギー試験は、集中治療室でより抗生剤選択の変更を導いた(77.97%[CI 72.0-83.1]vs54.73%[CI 51.2-58.2]、P < .01)。
■ ペニシリン(範囲9.9%-49%)、セファロスポリン(範囲10.7%-48%)は処方が増加し、バンコマイシンとフルオロキノロン使用は減少したと報告された。
■ 入院患者に対するペニシリンアレルギー検査は、4研究においてコストが減少したと報告された。
結局、何がわかった?
✅入院中のペニシリンアレルギー検査により、抗生剤の選択が変化し、ペニシリンやセファロスポリンの使用が増加し、その変更はICUのほうがより多かった。
■ 入院患者におけるペニシリンアレルギー検査は、ペニシリンアレルギーを除外するために安全で有効であるとまとめられます。
■ 陰性率は、外来患者と手術中の患者で同等だったとされていました。
■ ペニシリンを必要とするペニシリンアレルギー患者は、個々のアウトカムと抗生剤管理に対して利点がある入院中に、アレルギー検査を受けるべきであるともされていました。
今日のまとめ!
✅ペニシリンアレルギーが疑われる患者さんに対し、入院中にアレルギー検査をすることは有用である。