デイケア想定の中断型光線療法 vs 24時間連続照射のRCT:「黄疸の光線療法、低リスク群では10時間で十分かも?」

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【論文タイトル】
Daycare-simulated interrupted phototherapy for neonatal jaundice: a randomized controlled trial
(デイケア想定の中断型光線療法 vs 24時間連続照射のRCT:「黄疸の光線療法、10時間で十分?」)

【主要著者名】 Jia Cheng Ong ほか
【掲載誌名】 European Journal of Pediatrics
【発表年、巻(号):ページ】 2026(オンライン先行公開)
【DOI】 10.1007/s00431-025-06727-z
【URL】https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41518526/

【忙しい人のための3行まとめ】

【背景/課題】 低リスク新生児黄疸の光線療法は通常24時間連続入院で行われるが、家族負担が大きく、より短時間の通院型が成立するかは不明であった。
【結果/数値】 10時間中断型(デイケア想定)群と24時間連続群で、24時間後のビリルビン低下速度に有意差はなく、再照射が必要となった児もいなかった。
【臨床的意義】 低リスク児では通院型の短時間光線療法が選択肢となりうる。入院負担の軽減と母子分離の最小化に寄与する知見であり、退院後のフォロー体制を整えたうえで導入を検討したい。

【概要】

本研究は、低リスクの正期産新生児を対象に、10時間の中断型光線療法(デイケアモデル)24時間連続光線療法を比較したランダム化比較試験です。中断型群では昼間のみ照射し夜間は中断するスケジュールを想定しており、日帰り通院での治療完結を念頭に設計されています。
主要評価項目である24時間後の血清ビリルビン低下速度は両群間で同等であり、いずれの群においても再照射や交換輸血が必要となった児はいませんでした。
この結果は、溶血性疾患を除く低リスク黄疸においては、連続照射と同等のビリルビン低下が短時間の中断型でも達成可能であることを示唆しています。従来、新生児黄疸の光線療法には入院と連続照射が「当然」とされてきましたが、本研究は、適切な患者選択のもとで通院型治療が現実的な選択肢となりうることを示した点で意義があります。

【管理人の考察】

ビリルビンの光分解は皮膚レベルでの急速な光化学反応と、その後1〜3時間かけて血中から皮膚へ未結合ビリルビンが移動するステップの二段階で進むとされています。
この生理学的メカニズムを踏まえると、中断を挟んでも移動フェーズが効果的に進行し、結果的にビリルビン低下は維持されうるという理論的な根拠があります。
本研究はその知見をさらに一歩進め、「デイケア」というより実臨床に近いモデルで同等性を確認した点が新しいと言えます。ただし、対象が低リスク児に限定されている点には注意が必要です。

溶血性疾患や早産児など高リスク群への外挿は慎重であるべきであり、また中断中のビリルビンリバウンドの長期モニタリングデータも今後蓄積が望まれます

日本では産科退院後の黄疸フォローアップ体制が施設によって異なるため、導入にあたっては地域の医療資源やフォロー体制との整合性を考慮することが重要です。

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