以下、論文紹介と解説です。
Paller A, et al. A phase 2, open‐label study of single dose dupilumab in children aged 6 months to< 6 years with severe uncontrolled atopic dermatitis: pharmacokinetics, safety and efficacy. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2020 Sep 7. doi: 10.1111/jdv.16928. [Online ahead of print].
生後6ヶ月以上6歳未満の重症アトピー性皮膚炎患者に対し、デュピルマブ単回投与(3mg/kg、6mg/kg)による効果を確認した。
背景
■ デュピルマブは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)を有する成人および小児(6~17歳)を対象に有効性と安全性が実証されているが、乳幼児におけるリスク・ベネフィットプロファイルが良好で効果的な全身療法は、依然として満たされていない大きなニーズである。
目的
■ 生後6ヶ月以上6歳未満の重症AD患者を対象としたデュピルマブ単回投与の薬物動態、安全性、有効性を検討する。
方法
■ 本試験は、多施設共同非盲検第2フェーズ・連続した2つの年齢コホート・2つの投与量による臨床試験(LIBERTY AD PRE-SCHOOL; NCT03346434)で、生後6 ヶ月以上 2 歳未満の低年齢児、2 歳以上 6 歳未満のさらに年齢が高い児を初期コホートとした。
■ 薬物動態サンプリング、安全性モニタリング、有効性評価は、デュピルマブの単回皮下注射後4週間に、2種類の連続投与量(3mg/kg、その後6mg/kg)に分けて実施された。
論文から引用。スタディデザイン。
■ 標準化された低~中力価のステロイド外用薬の使用は認められた。
結果
■ 2017年12月20日から2019年7月22日までに40人が登録された(年齢コホートごとに20人、コホート内の投与量毎に10人)。
■ 各年齢コホート内では、デュピルマブ単回注射後の薬物動態曝露により用量比例以上に増加した。
論文から引用。デュピルマブの薬物動態。
■ 3mg/kgおよび6mg/kgのデュピルマブによる治療により、3週目のEczema Area and Severity Index (EASI)の平均スコアは-44.6%および-49.7%(2 歳以上 6 歳未満コホート)、-42.7%および-38.8%(生後6 ヶ月以上 2 歳未満コホート)、 Peak Pruritus NRS score(もっとも強いそう痒のNRS)の平均スコアはそれぞれ-22.9%および-44.7%(2 歳以上 6 歳未満コホート)、-11.1%および-18.2%(生後6 ヶ月以上 2 歳未満コホート)低下した。
論文から引用。EASIスコアは改善している。
■ 4週目には、両年齢群ともにほとんどの有効性アウトカムの改善は、特に低用量で減少した。
■ 安全性プロファイルは、成人、青年期、小児で認められたものと同等だった。
結論
■ 単回投与のデュピルマブは一般的に忍容性が高く、ADの臨床症状を大幅に軽減した。
■ 低年齢の小児よりも高い年齢の児では、やや良好な反応が認められた。
■ デュピルマブの薬物動態は非線形であり、成人および青年を対象とした過去の研究と一致していた。
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デュピルマブの単回投与で、乳幼児の重症アトピー性皮膚炎の重症度は低下する。

■ プラセボをおいていないため、デュピルマブの効果だったかどうかをはっきり説明はできませんが、EASIスコアの大きな低下から考えると有効性はあるように思われます。
■ 今後の第3フェーズ試験に期待は持てる様に思います。
■ とはいえ、副作用も含め十分な検討は必要でしょうし、スキンケアの重要性が薄れたわけでもありません。
■ ただし、単回の投与で、しかも体重計算での3mg/kgの使用で有効ならば(成人は初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与)、体重15kg(おおむね3歳の体重)で45mg/回です。
■ コストベネフィットも含めまずまず期待できるかもしれません。
今日のまとめ!
✅ 生後6ヶ月から6歳未満の重症アトピー性皮膚炎に対し、デュピクセントの単回投与は有効かもしれない。

















