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Vasileiadou S, et al. Eating fish and farm life reduce allergic rhinitis at the age of twelve. Pediatric Allergy and Immunology 2018. [Epub ahead of print]

アレルギー疾患と衛生仮説。

「衛生仮説」は、もともとは1989年にストラカンが提唱した概念で、「感染症が多い環境の方がアレルギーが少ない」という報告に端を発します

 Hay fever, hygiene, and household size.

■ 最近も、伝統的な生活を守っているアーミッシュの方々には気管支喘息がとても少ない理由として、細菌から放出されるエンドトキシンに強くさらされるからではないかという衛生仮説に基づいた報告が、NEJMに発表されています。

今回は、農場で家畜にさらされていると、アレルギー性鼻炎の発症抑制に働くのではないかという報告をご紹介いたします。

 

スウェーデンの前向きコホート試験に参加した4777人から、12歳時点のアレルギー性鼻炎の発症リスク因子/防御因子を検討した。

背景

■ アレルギー性鼻炎の有病率は上昇したが、この上昇の原因は部分的には不明である。

■ スウェーデンの12歳児におけるアレルギー性鼻炎の有病率、危険因子、防御因子を分析することを目的とした。

 

方法

■ 2003年にスウェーデン西部で生まれた子どもの前向きコホート研究から、データが集められた。

■ 両親は、子どもが生後6ヶ月~12歳時にアンケートに回した。

■ 12歳時の回答率は、配布されたアンケートの76%(4777人中3637人)だった。

 

結果

■ 12歳時、参加した子どもの22%はアレルギー性鼻炎に罹患しており、57%は男児だった。

発症時の平均年齢は7.8歳であり、55%は8歳以降に最初の症状を報告した。

■ 最も一般的なトリガー要因は、花粉(85%)、毛のある動物(34%)、ダニ(17%)だった。

論文から引用。アレルギー性鼻炎のトリガー。

■ 多変量解析における12歳時のアレルギー性鼻炎のリスクに対する独立オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)は、親のアレルギー性鼻炎(OR 2.32 [95%CI 1.4-2.77])、初回時の医師診断のある食物アレルギー(OR 1.75 [1.21-2.52])、初回時の湿疹(OR 1.61 [1.31-1.97])、男児(OR 1.25 [1.06-1.47])だった。

生後12ヵ月時点で、1ヵ月に1回またはそれ以上に魚を食べると、12歳時のアレルギー性鼻炎のリスクが減少し(OR 0.70 [0.50-0.98])4歳時に家畜と農場で生活すると(OR 0.51 [0.32-0.84])同様にリスクが低下した。

論文から引用。アレルギー性鼻炎の発症リスク因子と防御因子。

■ 4歳から12歳まで継続的に農場で生活すると、その関連を強くするようだった。

論文から引用。継続して農場に住んでいる群が最も予防効果が高い

 

結論

■ アレルギー性鼻炎は12歳の20%以上に影響していたが、生後12ヶ月時に魚を食べたり、家畜と農場で育った児のほうがリスクが低くなった

 

結局、何がわかった?

 ✅12歳時点のアレルギー性鼻炎の発症リスクは、親のアレルギー性鼻炎(2.32倍)、生後6ヶ月時の医師診断のある食物アレルギー(1.75倍)、生後6ヶ月時の湿疹(1.61倍)、男児(1.25倍)と推定された。

 ✅12歳時点のアレルギー性鼻炎の発症リスクは、生後12ヵ月時点で頻回に魚を食べると0.7倍になり、4歳時に家畜と農場で生活すると0.51倍になると推定された。

 

 

魚摂取や、農場での長い生活は、アレルギー性鼻炎の防御に働くかもしれない。

■ 魚はアレルギー発症予防に関連することがすでに報告されています。

■ ただし、農場で家畜と一緒にというのは、下の図のようなことをいいます。決して、「時々動物園に行く」ではありません。現実的には日本では極限られた状況しか無いんじゃないでしょうか、、、

von Mutius E. The microbial environment and its influence on asthma prevention in early life. J Allergy Clin Immunol 2016; 137:680-9.から引用。

 

今日のまとめ!

 ✅乳児期に魚を頻回に食べたり、幼児期に農場で家畜と生活すると、アレルギー性鼻炎の発症が少なくなるかもしれない。

 

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