妊娠中・乳幼児期の魚摂取は、アレルギー疾患を予防するのか?: システマティックレビュー&メタアナリシス

2017年8月14日

魚摂取とアレルギー発症。

■ 昨日、魚油サプリメントが小児期の喘息を減らすかもしれないという報告を御紹介いたしました。

■ ほぼ同時期に魚摂取が小児期のアレルギー疾患を予防するかどうかのシステマティックレビュー&メタアナリシスが発表されていたのでご紹介いたします。

 

P: 2016年2月07日までの妊娠中の母の魚摂取に関するランダム化比較試験 1件、前向きコホート研究 13件からの17研究、乳幼児期における魚摂取に関する前向きコホート5件からの8研究

E: 妊娠中もしくは乳幼児期における多い魚摂取(n-3系多価不飽和脂肪酸[[n-3LC-PUFA]を多く含む)

C: 魚摂取が少ない、もしくは摂取がない

O: 小児期のアトピー、湿疹、アレルギー性鼻炎、喘鳴、喘息、食物アレルギーを減らすか

 

結果

■ 妊娠中の母の魚摂取は、こどもの湿疹リスク(RR 0.88; 95%CI 0.75ー1.04; p = 0.13; I2 = 53%)、アレルギー性鼻炎リスク(RR 0.95; 95%CI 0.62ー1.45; p = 0.81; I2 = 44%)、喘鳴リスク(RR 0.94; 95%CI 0.83ー1.07; p = 0.36; I2 = 26%)、喘息リスク(RR 0.94; 95%CI 0.75ー1.18; p = 0.58; I2 = 52%)に有意な関連がなかった。

1歳までの魚摂取は、湿疹の発症リスク(RR 0.61; 95%CI 0.47ー0.80; p = 0.0003; I2 = 68%)とアレルギー性鼻炎の発症リスク(RR 0.54; 95%CI 0.36-0.81; p = 0.003; I2 = 74%)を減少させた。

■ しかし、喘鳴(RR 0.94; 95%CI 0.77ー1.14; p = 0.51; I2 = 0%)、喘息(RR 0.84; 95%CI 0.69ー1.02; p = 0.09; I2 = 0%)の発症リスクには有意な関連が認められなかった。

 

乳幼児期の魚摂取は、湿疹やアレルギー性鼻炎のリスクを減らすようだ。

乳幼児期の魚摂取が、児の湿疹やアレルギー性鼻炎のリスクを減らす可能性があるといえますが、妊娠中の母の魚摂取はアトピー性疾患の発症に影響を及ぼさない、とまとめられます。

■ 魚は、特定のタンパク質(必須アミノ酸など)、ビタミン(A、DとB12)、ミネラル(セレン)、微量元素)といった、n-3 LC-PUFA以外の物質があり、個々のもしくはその組合せがアレルギー疾患リスクを低下させる可能性があるとされています。

■ すでに、アレルギー疾患予防と魚摂取に関し、2つのシステマティックレビューが実施されており、疫学的研究の多くが、妊娠中・乳幼児期・もしくは小児期の魚摂取はアトピー性疾患のリスクを下げると結論しているそうです(Am J Clin Nutr 2016: 103: 128–43.)(Clin Rev Allergy Immunol 2011: 41: 36–66.)。

一方、最近のメタアナリシスでは、妊娠中の母の魚摂取が児のアトピー性疾患リスクに関連がないと結論しています(Allergy 2015: 70: 1588–604.)。

■ これらの結果をどう判断するのか難しくなっていますが、、”少なくとも妊娠中・乳児期の魚摂取は悪くない、子どもの湿疹のリスクを減らす可能性はある”程度にまとめておくといいのかなと思っています。

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