以下、論文紹介と解説です。
Conover DM, et al. Comparison of two plain soap types for removal of bacteria and viruses from hands with specific focus on food service environments. Food Control 2016; 69:141-6.
24名の手に大腸菌・MS2バクテリオファージ(RNAウイルス)を付着させ、泡状石けん・液状石けんでの洗浄による菌・ウイルス量の低下量を比較した。
背景
■ 手洗い(Handwashing; HW)は、病気の伝播を防ぐための方法として古くから確立され、広く受け入れられている。
■ 現在のHW方法の有効性を確実なものにすることは、HWの最適化と疾病予防の強化のために不可欠である。
目的
■ 本研究の目的は、プレーンな泡状石鹸手洗いと液体石鹸手洗いにおける、微生物の減少量の違いを明らかにすることだった。
方法
■ 24名の手に、平均1.25×108 CFUのEscherichia coli C3000または1.36×108 PFUのMS2バクテリオファージをPalmar Surface Methods(PSM;手掌表面法)で接種した。
Conover DM. Comparative Efficacy of Foaming and Non-foaming Handsoap in Reduction of Microorganisms in Handwashing. 2016.
■ 参加者は、標準化された石鹸量とHW時間10秒の標準的なプロトコルに従って手を洗った。
■ 手から微生物を回収するために、グローブジュース法を使用した。
※Lingaas E, Fagernes M. Development of a method to measure bacterial transfer from hands. J Hosp Infect 2009; 72:43-9.
■ 残った微生物は、それぞれ大腸菌およびMS2のstandard spread plate法およびプラーク検査によって定量した。
結果
■ 大腸菌を接種した手の平均log減少量は、泡状ハンドソープで2.76±0.70、液体ハンドソープで2.52±0.58 log CFUだった。
■ MS2を接種した手の平均log減少量は、泡状ハンドソープで2.10±0.57、液体ハンドソープで2.23±0.51 log PFUだった。
■ この結果は、通常の(殺菌性でない)泡状石鹸と液体石鹸の効果を比較しても、全体的な微生物除去量に有意差はないことを示している。
■ しかし,石けんの種類にかかわらず,微生物の種類が全体の除菌量に影響があり、泡状ハンドソープの除菌量は、MS2と比較して大腸菌の除菌量が多く、有意差があった(p = 0.0008)。
結論
■ 本研究は、手洗い時の手の微生物減少に対する液体ハンドソープと泡立てたハンドソープの有効性を比較した最初の研究である。
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液状でも、泡状でも、石けん量や洗浄時間に差がなければ、微生物の除去には差がないようだ。

■ あくまでこの研究は、『石けん量』『洗浄時間』に差がないようにしています。
■ 泡状石けんの量を減らしたり、洗浄時間を短縮すると、差が出る可能性があります。
■ 実際、泡状石けんのほうが、洗浄時間を短縮してしまう可能性を示唆した検討もあるようです(Food Control 2017; 73:878-82.)。
今日のまとめ!
✅ 殺菌性でないハンドソープに関して、泡状でも液状でも、微生物の除菌性には差はないようだ。













