リンデロンVとプロトピック外用を1日2回4週間連日塗布した場合の比較

2017年11月14日

Danby SG, et al. The effect of tacrolimus compared with betamethasone valerate on the skin barrier in volunteers with quiescent atopic dermatitis. Br J Dermatol 2014; 170:914-21. 

ステロイド外用薬を、どれくらい毎日塗ってもいいでしょう?

■ ステロイド外用を毎日塗り続けることは厳に慎むべきで、減量して間欠塗布に持ち込むようにになければなりません。

■ その理由として皮膚のバリア機能をむしろ低下させるからですが、一方で減量がなかなか進まない場合も起こりえます。

■ その際にプロトピック軟膏は大きな武器になります。

 

P: 18歳以上
 1群; 安定期AD患者(過去6か月間の抗炎症薬の使用なし)25名
 2群; 最近0.2年以内発症のAD患者9名
 3群; ADの既往のない10名のボランティア

E: 手首より上3cm~肘窩下3cm部位に、
betamethasone valerate 01% cream(BMVc; 本邦の商品名リンデロンVクリーム) 1日2回4週間塗布

C: tacrolimus 01% ointment (TACo; 本邦での商品名プロトピック軟膏) 1日2回4週間塗布

O: 皮膚pH、TEWL、角質プロテアーゼ活性

 

 

結果

■ 試験開始時、健常対照者と比べAD患者は無症状部位でもTEWLが有意に高値だった。

■ BMVc(リンデロンV)群は22-25g、TACo群は22-25gを塗布した。

BMVc群は、有意にTEWLが上昇した(皮膚バリア機能が低下した;1260→1326)が、TACo(プロトピック)群はTEWLが上昇せず(1275→1211)、角質水分量が健康な皮膚と同等レベルに回復した

 

週2回のリンデロンVを塗ってもおおむね安全、しかし、リンデロンV”のみ”連日塗布4週間塗ると、皮膚のバリア機能が低下する。

■ プロアクティブ治療は週2回程度のステロイド外用を許容しています。

■ 幾つかの検討で、週2回塗布では皮膚のバリア機能が低下をきたさないとしていることなどがその根拠になっているといえます。

■ 今回の研究結果はリンデロンVを1日2回4週間、定期的に塗ると皮膚バリア機能低下をきたす可能性を示唆しています。

■ すなわち、「週2回のIII群クラスのステロイド外用”のみ”定期塗布でおおむね安全、しかし、III群ス剤”のみ”連日塗布4週間でバリア機能は低下する」とまとめられるでしょう。

■ スキンケア指導を十分行い、ステロイド外用薬塗布頻度を減らし、局所的なTACoへの変更を即すことは重要になると思います。

■ なお、この検討は、リンデロンV外用以外の十分な保湿剤塗布をした場合の結果ではありません。保湿剤を定期塗布すればステロイド外用薬の使用量が減少する報告もあり、安全性は高まる可能性があると考えられますし、抗炎症薬(ステロイドもプロトピックも)は減量していくことを目標にするべきでしょう。