アレルゲン免疫療法は、アレルギー疾患の新規発症を予防するか?: システマティックレビュー&メタアナリシス

 


アレルゲン免疫療法、特に舌下免疫療法(SLIT)に関しては、本邦でもダニとスギ花粉に関して保険適応があり、注目されています。

免疫療法を治療ではなく予防に使えないかどうかに関し、システマティックレビューが発表されましたので、まとめをUPしてみようかと思います。


 

P: アレルギー疾患予防目的にアレルゲン免疫療法(allergen immunotherapy;AIT)の効果を検討した32研究

E: 様々なアレルゲン(例えば、花粉、チリダニ類[HDM])を用い、皮下(SCIT)もしくは舌下(SLIT)免疫療法で介入

C: プラセボもしくは異なるアレルゲンを用いた介入

O: 短期間(AIT開始<2年)/長期間(AIT開始≧2年)介入において、初めてのアレルギー疾患発症もしくは新規のアレルギー疾患の発症に予防効果があるか

 

結果

 

AITが短期間における最初のアレルギー疾患のリスクを減らすという決定的なエビデンスを見つけることはできなかった(RR = 0.30; 95%CI:0.04.2.09)

また、ランダム化比較試験も、長期間のにおける予防効果を認めなかった。

しかし、アレルギー性鼻炎患者の喘息発症の短期的なリスクは低下し(RR = 0.40; 95%CI:0.30-0.54)、この効果は、長期間維持されたという(断定的とはいえない)エビデンスがあった(RR = 0.62; 95%CI:0.31-1.23)

新規の感作のリスクが、短期間低下したというエビデンスがあったが、感度分析では確認できなかった(RR = 0.72; 95%CI:0.24-2.18)。

長期間における感作のリスクにも明らかなエビデンスは確認できなかった(RR = 0.47; 95%CI:0.08-2.77)。

AITの費用効果についてもコメントすることができない。

AITの副作用は許容範囲だった。

 

コメント

 

AITに初発のアレルギー疾患のリスクを下げるという効果があるというエビデンスは得られなかったとまとめられます。

しかし、短期間ながらアレルギー性鼻炎患者における喘息発症リスクを低下させるというエビデンスがあったとされています。
ただし、この有益性が長期間維持されたかどうかは不明だそうです。

AITに関しては、効果のみならず予防効果が期待されていますが、まだエビデンスがあるとはいえないようです。

食物アレルギー予防に関して、皮膚ケアを十分しながら卵を摂取することで予防効果があり、皮膚ケアを考慮しない場合は予防効果が不十分であることから、AITもスキンケアをしながらであれば、一定の効果があがるのかもしれません。

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