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Bissonnette R, et al. Topical tofacitinib for atopic dermatitis: a phase IIa randomized trial. Br J Dermatol 2016; 175:902-11.

新しい作用機序のアトピー性皮膚炎治療薬。

■ 今回は、JAK阻害薬であるトファシチニブの外用がアトピー性皮膚炎に効果があるかどうかを検討した報告です。

トファシチニブは、細胞内に存在するチロシンキナーゼの一種、Janus kinase (ヤヌスキナーゼ; JAK)を阻害することで炎症を抑制します。

■ 実用化されれば、タクロリムス(商品名プロトピック)以来のアトピー性皮膚炎に対する新しい作用機序による外用療法剤となります。

■ なお、この論文はすでに全文がオープンアクセスになっています。

 

PECO
P: 軽・中等症アトピー性皮膚炎の成人69人
E: 2% トファシチニブ外用
C: 基剤
O: プライマリエンドポイント;4週目のEczema Area and Severity Index (EASI) scoreのベースラインからの変化(change from baseline;CFB)
セカンダリエンドポイント;体表面積(BSA)の率、EASIの臨床症候重症度合計スコアのベースラインからの変化、医師の総合評価(Physician’s global assessment;PGA)

 

結局、何を知りたい?

 ✅新規作用薬であるJAK阻害薬(トファシチニブ)外用薬の効果を知ろうとしている。

 

 

JAK阻害薬はアトピー性皮膚炎の治療に効果があるか?

■ 参加者は女性 54%、白人80%であり、平均31.4歳(18.0-57.0歳)歳、PGAスコアは「中等度」が72%だった。

■ 1日目から4週目までの軟膏の平均使用量は、トファシチニブ群24mg/cm2、基剤群25mg/cm2だった。

■ 4週目のEASIスコアのベースラインからの変化率は、トファシチニブ群(817%)は 基剤(299%)より有意に改善した(P<0.001)。

トファシチニブ群は、すべての予定された有効性エンドポイント全体にわたって有意な改善を示し(P < 0.001)、さらに第4週においてそう痒を改善した。

 

論文より引用。トファシチニブ外用のほうが効果が高い。

 

■ EASI、PGA、BSAは第1週から有意に改善し、そう痒は2日目に改善が観察された。

■ 安全/局所の忍容性は、両群でおおむね同様だったが、基剤群に、より多くの有害事象が観察された。

■ 69人(44%)のうちの30例は、治療中に出現する副反応(adverse events;AE)を経験し、ほとんど(89%)は軽症だった。

■ 使用部位の接触性皮膚炎を惹起した2例は本研究から離脱したが、基剤群だった。

■ 感染症は、トファシチニブ群6例[鼻咽腔炎(n = 2)、気管支炎(n = 1)、せつ(n = 1)、胃腸炎(n = 1)、ウイルス性上気道感染(n = 1)]と基剤群3人[鼻咽腔炎(n = 2)と上気道感染症(n = 1)]で生じた。

 

結局、何がわかった?

 ✅JAK阻害薬(トファシチニブ)外用薬は基剤に比較して効果があり、特に掻痒に対する効果が高かった。

 

 

JAK阻害薬はランダム化比較試験で効果が確認され、副作用も許容される範囲だった。

■ トファシチニブは、細胞内に存在するチロシンキナーゼの一種、Janus kinase (ヤヌスキナーゼ; JAK)を阻害することで炎症を抑制します。

■ アトピー性皮膚炎(AD)における新しい作用機序による外用療法剤となります。そして、 トファシチニブ軟膏は、基剤に比較して効果が早く、安全/局所の忍容性があり、有意に有効性を示したとまとめられます。

 

今日のまとめ!

 ✅JAK阻害薬(トファシチニブ)外用薬は、すでに第II相まで開発が終了し、掻痒に効果が高いこと、いまのところ安全性も高いことが分かってきている。

 

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