以下、論文紹介と解説です。
Shibata R, et al. Usefulness of specific IgE antibodies to ω-5 gliadin in the diagnosis and follow-up of Japanese children with wheat allergy. Annals of Allergy, Asthma & Immunology 2011; 107:337-43.
小麦アレルギーと診断された67人において、2年間の除去食後に改善した群・改善しなかった群のω5グリアジン特異的IgE抗体価を確認した。
背景
■ グリアジンは、摂取した小麦に対するIgE依存性アレルギーに関連している。
■ ω-5グリアジンは、即時型小麦アレルギー(wheat allergy; WA)の小児における臨床的に関連のあるアレルゲン成分であると思われるが、矛盾した結果も発表されている。
目的
■ リコンビナントω-5グリアジン特異的IgE抗体(sIgE)が小麦に感作されている小児における小麦経口負荷試験の結果のマーカーとして使用できるかどうかを検討し、ω-5グリアジン特異的sIgE抗体の測定がWAのある小児をモニタリングしアレルギーがアウトグローしているか持続しているかを評価するために有用かどうかを検討した。
方法
■ 小麦に感作された小児から血清88検体を連続的に採取した。
■ ω‐5グリアジン特異的IgE抗体価は医師の診断による小麦アレルギー(WA)と関連していた。
結果
■ 小麦に感作された小児88人中67人がWAがあると診断された。
■ ω-5グリアジン特異的IgE抗体価の幾何平均濃度は、WA児では2.04 kUA/L(範囲 <0.35~100kUA/L)、WAのない児で0.40 kUA/L(範囲 <0.35~1.8 kUA/L)だった。
■ 約2年間小麦の除去食を継続した後の追跡調査において、小麦アレルギーがアウトグローした小児15人中10人でω-5グリアジン特異的IgE抗体価は0.35 kUA/L未満(平均0.34 kUA/L;範囲、0.34~2.3 kUA/L)だった。
■ 逆に、小麦アレルギーが持続した小児14人中12人では、ω-5グリアジン特異的IgE抗体価は依然として上昇していた(平均5.89 kUA/L;範囲0.34~16.3 kUA/L)。
結論
■ ω-5グリアジン特異的IgE抗体価は、小麦アレルギーのモニタリングにおいて、小麦経口負荷試験に潜在的にリスクに対する正確な代替として使用できる。
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ω5グリアジン特異的IgE抗体価は、小麦アレルギーの予後、負荷試験のタイミングをはかる指標になる。

■ ω5グリアジン特異的IgE抗体価は、もともとは成人の『小麦依存性運動誘発アナフィラキシー』でみつかったコンポーネントです。
■ しかし、小児では即時型小麦アレルギーにおいて日常診療で非常に有用な検査であり、『わずかに陽性』でも、負荷試験陽性になりやすいです。
■ さらには『寛解を予想する』にも重要であり、動きをみる参考になるということですね。
今日のまとめ!
✅ 小児の即時型小麦アレルギーにおいて、ω5グリアジン特異的IgE抗体価は、寛解の予測にも有用である。













